感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
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7月23日に亡くなった著者の追悼のために読んだ。著者の買い求めた骨董品の中から厳選された品についてのエッセイではあるが、良くも悪くも北冬系(あるいは「漫画主義」系)の左翼的な雰囲気が薫る思想書の一種としても私は読んだ。実際に著者の奥さんがそうだったのだろうが、やはり女性は骨董あるいは男性のコレクションを理解せぬものとして描かれるが、そのことが逆に著者の骨董の趣味を深めたのだと思う。奥さんに限らず「あとがき」を見ると著者の周囲の左翼系の友人・知人たちからも「まず例外なく冷やかな視線をむけられる」という。2019/08/13