内容説明
明日美は、看護学校に通う女子学生。だけど、学校をやめようかと悩んでいた。そんな明日美が、一人でドライブに出た。つらかったり悲しかったりしたとき、いつもいく場所があった。そこで、少し年下に見える彼と出会った…。「海を見に行きませんか?」明日美は、彼をドライブに誘ってみた。彼を助手席に乗せ、湘南へと向かう。でも、ちっとも楽しくない。彼は、名前も教えてくれない。一言も口をきいてくれない。こんなことなら一人の方がよっぽどまし…。海岸沿いの駐車場で休憩していると、老夫婦が、声をかけてきた。城ケ島まで乗せてって欲しい、と言う。二人でいるより四人の方が気楽になれそう。こうして、4人の小さな旅がはじまった。1泊2日の小旅行…。やがて明日美は、彼が少しずつわかってきた。自閉症が、ちょっとだけわかってきた…。
著者等紹介
山下久仁明[ヤマシタクニアキ]
1960年、東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。日本シナリオ作家協会会員。しょうがい児の放課後活動の場「フリースペースつくしんぼ」(東京都町田市)代表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あっちゃん
17
内容も悪くないけど、自閉症についての説明書的な感じ!症状は人それぞれだろうけど、自閉症の人への、接し方というよりは考え方をメインに、穏やかな珍道中といった所かな?(笑)2018/02/24
Mao
5
「人間を含め、進化を続ける生物が子孫を残すときには、必ず1%はハンディを持って生まれる。 ということは、99人の健常者はたった一人の人間にそのハンディを背負ってもらって生きているわけだ。 自分の背負うべき分のハンディの確率まで背負って生まれてきてくれた100分の1の存在に感謝しなきゃいけないんだ。(一部要約)」p1322017/09/04
Kyoko
2
ストーリーがどうこうというよりも、自閉症ってなんだろう?って少しでも思ったらまず読んでみたらいいかなと思う作品。 専門書のような難しいことは書かれていないけれど、自閉症の人との付き合い方が少しだけ感じられる作品だと思います。
むっちょむ
2
自閉症の成年と、女性、老夫婦の交流がほのぼのしていて良かった。 自閉症の人のリズムになんか癒された。 2012/11/15
もり
2
自閉症の入門書。自閉症ってなんだろう?そう思った人に読んで欲しい。特に老夫婦の夫がする自閉症についての説明は的確。この本の作者は自閉症の息子を持つ父親。それ故に行動、発言、思考がこの障害を上手く表している。本の主人公は障害を持つ少年。自閉症の人目線で書かれた作品で、彼らの世界が少しだけ見えるような気がする。2011/12/07




