内容説明
同時代を生きた奴隷、奴隷商、奴隷所有者の書簡、日記、自伝などを渉猟しつつ三人の人生を“巨大な歴史”のなかで生き生きと描く。パラレル・バイオグラフィー。アメージング・グレースを作詞した奴隷商の物語。
目次
第1部 奴隷貿易商ジョン・ニュートン―一七二五年~一八〇七年(気まぐれな若者;アフリカで;奴隷貿易商;奴隷制に慈悲を見出す;奴隷売買から説教へ;聖職者になった奴隷貿易商;気の進まない奴隷廃論者)
第2部 奴隷所有者トーマス・シスルウッド―一七二一年~一七八六年(ジャマイカでの見習い期間;砂糖と奴隷;タッキーの反乱;独立する;洗練された富裕な紳士;全ての終焉)
第3部 奴隷オラウダ・エクィアノ―一七四五年頃~一七九七年(イギリスのアフリカ人;誘拐される;惨めな奴隷制の中で;奴隷制の中での成功;自由人エクィアノ;信仰、救済、アメリカ;アフリカ、奴隷制廃止、『物語』)
著者等紹介
ウォルヴィン,ジェームズ[ウォルヴィン,ジェームズ][Walvin,James]
1942年、イギリスのマンチェスターに生まれる。長くヨーク大学で教鞭を執り、現在名誉教授。専攻は、奴隷制、奴隷貿易。1970年代に入ってすぐから旺盛な著述活動に入る。Black and White:The Negro and English Society,1555‐1945(1973)で1975年のマーチン・ルーサー・キング牧師記念賞を受賞
池田年穂[イケダトシホ]
1950年、横浜市に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学院修士課程修了。現在、慶應義塾大学教授。専攻は、移民論、移民文学。主な訳書にロジャー・アクスフォード編『リロケーション―日系米人強制収容の証言』(西北出版、1991年)、ユエンフォン・ウーン『生寡婦―広東からカナダへ、家族の絆を求めて』(カナダ首相出版賞翻訳部門受賞、風響社、2003年)、シゲオ・シマダ『石が叫ぶだろう―アメリカに渡った日本人牧師の自伝』(水声社、2009年)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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