内容説明
米国とイランは一九八〇年に断交して以来、四〇年にわたって対立を続けてきた。トランプ大統領の登場で、その対立は激しさを増し、二〇二〇年一月三日のソレイマニ司令官殺害でピークに達した。その後も米国の圧力は続き、イランの抵抗も続いている。危機は去っておらず、両国の対立が軍事衝突に発展する可能性は高い。なぜ米国とイランはここまで憎しみあい、敵対するのか?両国の抗争の歴史を振り返り、イランが生存をかけた危険な勝負に出ている危機の実態に迫る!
目次
第1章 米・イラン相互不信の歴史
第2章 オバマ「核合意」の失敗
第3章 トランプ政権の対イラン戦略
第4章 限界近づくイランの「戦略的忍耐」
第5章 イランを締め上げるトランプ
第6章 イランの「最大限の抵抗」戦略
第7章 軍事衝突に向かう米国とイラン
著者等紹介
菅原出[スガワライズル]
国際政治アナリスト・危機管理コンサルタント。1969年生まれ、東京都出身。中央大学法学部政治学科卒業後、オランダ・アムステルダム大学に留学、国際関係学修士課程卒。東京財団リサーチフェロー、英危機管理会社役員などを経て現職。合同会社グローバルリスク・アドバイザリー代表、NPO法人「海外安全・危機管理の会(OSCMA)代表理事」も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くらーく
2
2025年6月に本書を読む。本当に躊躇なく(2週間と言いつつ2日で)、他国(イラン)の上空からバンカーバスターを落とすと言うアメリカと、それでも1度反撃して、これで終わりとして我々の勝利だと言うイラン。世界一のアメリカとしては、イランのアメリカ大使館を占拠して燃やした国は何があっても許せないのだろうな。逆に言えば、力で政治をほんろうしたアメリカを歴史と誇りのあるペルシャイランは、受け入れられないのだろうか。 日本は、80年ちょっと前の事は水に流して、アメリカと上手い事やっているなあ、とつくづく。2025/07/04
アーク
2
そういえばアメリカって中東を過剰に敵視しているな、と思っていたけれど、個人的にはイラクを親の敵の如く思っているという認識がなかった。本書を読んで、アメリカがなぜイランをそのように思っているのか、歴史を追って知ることができた。それにしてもアメリカってどの国も外交上避けられない超大国ながら、北朝鮮とかイラクとか敵も多いな。トランプ政権下でますます激化するイランとの外交がどうなるか、今後も注視が必要だな。2020/04/15
やまち
1
だいぶん前に読んであんまり覚えてないけど、イランが反米なのも理解できると思った。日本はイラン側にもアメリカ側にも行かずに、付かず離れずやっていくしかない。これができるかはアメリカ次第というのが日本のつらいところ。いま核合意はまとまりそうな気配がある。なんとかうまくいってほしいが、アメリカの反イラン感情も相当強いようにみえる。次の政権でまたひっくり返るかもしれない。なんにせよ今後のことはわからないし、アメリカはこれからずっと、今後のことはわからない状態が続きそうだ。
Shinsuke Mutsukura
1
この本は、勉強になりますね。 トランプさんは戦争をしたくないってのは、本当だと思います。しかし、民主党政権になったら、どうなることやら。。。 イランの武漢熱の被害がかなりのものだが、武漢熱終息後にどうなるのか? ChinaやEuropeも含めて、大きな戦争になるのではないかと私は思っているのですが。。。 しかし、同じ手口で日本もやられたのを思うと何とも言い難いものがありますな。やれやれ。。。2021/01/06
Tetsuya Noguchi
1
危機管理の専門家が書いたアメリカとイランの両国関係を分析した書籍。恐らく本を書き終えたのがソレイマニ氏が暗殺された直後である事から、その後のコロナで苦しむイランの状況は踏まえていない。つまり緊張のピーク時に書かれたものであり、その後のイランの米大統領選挙まで耐える「最大の忍耐政策」は反映されていないことに留意は必要。しかし、今般のアメリカによるイランへの制裁について2020年1月までについて、実に詳細かつ緻密に事態を追っかけており、この時期の両国の関係を分析するための基礎を提供するという意味では貴重な本。2020/11/03
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