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内容説明
苛烈に対立する主義思想を融合させる国体とは?昭和初期のベストセラー新組み復刻なる。
目次
第1章 序論(マルキシストと観念的国体論者の行進曲;民衆の想像する国体学者の風〓(ぼう)
国体研究封じの一手 ほか)
第2章 混沌たる観念的国体論(国体論の大観;高天原を眺めてゐる人達;理想の大旆は翻つてゐる? ほか)
第3章 国体観念の革命と国体の現実社会的把握(国体の科学的定義;物質生活を卑しむ勿れ;現実生活を見ざる国体論を拒否せよ ほか)
著者等紹介
里見岸雄[サトミキシオ]
明治30年、東京に生まれる。大正9年、早稲田大学哲学科卒業。同11年、英独仏に遊学。同13年、兵庫県西宮に里見日本文化研究所を創立。昭和3年、『国体に対する疑惑』を刊行、一大センセーションを巻き起こし、同4年『天皇とプロレタリア』を刊行、百版突破の大ベストセラーとなる。同11年、日本国体学会を創立。同16年、立命館大学法学部教授に就任。同17年、法学博士号を授与されると共に同大に国体学科を創設し主任教授。戦後も「日本国体学」全13巻を脱稿するなど旺盛な著作・講演活動に従事。同49年、78歳にて逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
19
原書は昭和4年刊、当時のベストセラーらしい。著者は国柱会創設者 田中智学の三男。著者の主張は、資本家と無産階級の闘争を解決するために、社会的共存共栄組織を建設する手段として、天皇の御名による全産業組織の統制化。社会主義思想を取り込んで国体化するとの考えが根底にある。元々従来の国体論を観念的なブルジョア的な思想と切り捨てており、国体論への学問的批判も縦横無尽に展開している。◆「国体学」が一つの学問として成り立っていた時代、階級闘争に纏わる論争など当時の空気感は感じられる。しかしよくこれ復刻したな。😅2018/12/14