内容説明
広域流通財としての玉類を精緻に分析し、その流通・消費動態の具体像を復元しながら、古墳時代開始期における急速な社会変革の様相を再検討する。巻末には西日本の副葬された玉類を網羅した集成表も収載。
目次
第1章 研究史と問題の所在
第2章 資料と方法
第3章 各器種の流通動態
第4章 セット構成からみた玉類の流通形態
第5章 地域社会における玉類副葬
第6章 玉類流通の具体像と古墳時代開始期の社会変革
終章 玉からみた古墳時代の開始と社会変革
著者等紹介
谷澤亜里[タニザワアリ]
1986年福岡県生まれ。九州大学文学部卒業。九州大学大学院比較社会文化学府博士課程単位取得退学。現在、九州大学総合研究博物館助教。博士(比較社会文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おらひらお
2
2020年初版。巻頭カラーで著者の玉分類の写真を掲載。これで本書の理解が大いに進みそうです。2020/05/22
遊動する旧石器人
1
2020年4月30日発行。レンタル。銅鏡・鉄器の動態が古墳時代開始に重要な遺物とされてきたが、2000年代以降、玉類もそれに加わり、そうした情勢下で学生時代を過ごされ、21世紀玉類研究の申し子とも言える、谷澤さんの第1冊。本書では、玉類に関し、弥生時代後期〜古墳時代前期後半を通時的に分析・考察され、そのプレである弥生時代中期、ポストである古墳時代中・後期にも言及が及び、弥生中期社会の変革から、古墳前期社会のそれまでが通史として読める。九大出身ならではの強烈な印象も頻見されるが、確実に研究の歩を進めた1冊。2021/08/27