内容説明
72の詩のなかに皮肉たっぷり!イケてる子どもたちがいっぱい!子どもごころがよみがえる、大人がハマるナンセンスな世界。
著者等紹介
オステル,グリゴリー・ベンツィーオノヴィチ[オステル,グリゴリーベンツィーオノヴィチ] [Oster,Grigory]
1947年、旧ソ連オデッサ(現ウクライナ)生まれ。ゴーリキー文学大学卒業。ソ連時代はアニメのシナリオなどを数多く手がけ、ペレストロイカ後は教科書シリーズなど既存のジャンルのパロディ作品を次々に発表し、絶大な人気を誇る。2002年ロシア連邦国家賞受賞、ロシア連邦功労芸術家。2012年にはすぐれた児童文学作家に与えられるチュコフスキー賞を受賞。現代ロシアでもっとも読まれている児童文学作家の一人である
毛利公美[モウリクミ]
1969年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了
尾崎仁美[オザキヒトミ]
1970年、愛知県生まれ。愛知県立芸術大学デザイン科卒業、同大学院デザイン科修了。フリーイラストレーターとして書籍の装画、雑誌の挿し絵、広告など仕事多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
72
「言うことをきかない子たちには 良い子になるように教えるのをやめて 悪い子になるようにすすめればいい。そしたらきっとあべこべに 良いことばかりするはずだ。 この本は言うことをきかないこどものための本です」すごいです。これ真正面から真似されると大変です。しかし、この話、ロシアの政治的な風刺が入っているのだそうですよ。大人向けなのかもしれませんね。2016/05/05
キジネコ
46
逆説的教育論の体裁で「悪い子」と「良い親・大人」の構図の陰影をユーモラスに読ませます。子供に斯様な助言を与えられては・・些かどころか随分マズイ、不都合を親としては感じて片頬が歪みます。しかしオステルさん。今はなきソビエトの圧政下の民衆と指導部の関係を、親子の間柄に置き換えて「言う事をキカナイ子供」になることを唆しています。親は「良い親」足らんと欲し、常に正しい道を導きの光に従い「未熟な子」を誘導すべく足掻いていますが、無明の道を行こうとするそんな親達に抗する子の心、親知らず・・栄枯の光と影は遠きにあらず。2015/03/20
emi
34
いうこと聞かない悪い子に効くのは、何でしょう?怖い存在?おやつ抜き?ゲーム禁止?それでもあんまり効果がないわ…と思ったら、こちらの本はいかがでしょう。タイトルずばり、悪い子のすすめ。大変悪い子になる方法が満載です。舌打ちではすまないレベルの悪ガキぶりをすすめるのと同時に、その理由を七五調で書いた鋭さを含めた詩は、子どもが暗誦できるような軽やかなリズム。悪いことする理不尽な理由に、あれ?ちょっと変な気がする…そう疑問がわいてくるはず。悪い子も、かつての悪い子も、いい子だと思ってる子にも。2015/08/02
Miyoshi Hirotaka
26
わが国では児童文学に分類されているが、原題は「有害な助言」。悪い子を国民、大人を権力者と読替えると別の世界が見える。ソ連時代からロシアは小噺(アネクドート)大国。政治、共産主義、秘密警察、恋愛、日常生活などあらゆることがネタになった。子供の頃から詩の暗唱が盛んなロシアでは口伝でバリエーションが増殖した。また、活字にしないことは安全への配慮だった。インターネット以前からお家芸の拡散が、ソ連崩壊後に活字化し、表面化。暗黙のルールだろうが、小噺のオチの基本は自分たち。暗い社会を健康的に笑い飛ばすのが好まれる。2014/06/13
雨巫女。@新潮部
12
《私-図書館》よい子になれと言ってなかなかよい子に成らないから、悪い子になれば、悪い子に成らないという発想がいい。2014/05/27