内容説明
〈聖なるもの〉と〈想像力〉の実相を内外の作家・作品論を通して検証した新しい試み。
目次
征服と消滅―ゾラにおける宗教性の戯画
聖性と人間性―シャーロット・ブロンテの小説
自然と〈聖なるもの〉―エドワーズとエマソン
〈存在するものの関連〉のイメージ変容―ホーフマンスタールと超越的なもの
〈聖なるもの〉の実相―チャールズ・ウィリアムズの小説
〈聖なるもの〉の磁場―グレアム・グリーン文学の深層
革命論争と妖精物語論争―トリマー夫人と勃興期のイグリス児童文学
〈聖なるもの〉と民俗文化
リチュアルへの接近―バウンドとイェイツの能との出会い
超越願望における〈神性〉と〈人性〉―透谷の詩と詩論
アガペーとエロスの相剋―宮沢賢治・〈聖なるもの〉を求めて
汚染される〈空間〉・聖化される〈空間〉―芥川龍之介「或る日の大石内蔵之助」「戯作三昧」
〈聖なるもの〉の影―太宰治「魚服記」「地球図」「燈籠」など
〈聖なるもの〉と〈神〉―椎名麟三の初期三部作をめぐって
〈聖なる〉言語―三島由紀夫の場合
肯定的な否定―遠藤文学における俗の聖化
神聖と汚穢、そして世俗―小川国夫『王歌』の視界