内容説明
中国現代史家が接した中国市民。四川各地の町を訪ね、その地に宿る歴史に思いを馳せる…。重なりあう町の人々の生活のなかに無常の時の流れが際立つ、紀行エッセイの逸品。
著者等紹介
今井駿[イマイシュン]
1942年生まれ。1960年3月市立習志野高等学校卒業(第一期生)。1964年3月東京教育大学文学部歴史学科東洋史専攻課程卒業。1966年3月同修士課程卒業(文学修士)。1970年1月同博士課程退学。財団法人・日本国際問題研究所入所、4月より研究員となる。1978年4月静岡大学人文学部助教授。1985年4月同教授。2007年3月定年退職。5月静岡大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hatann
6
中国抗日戦争史の日本人専門家による四川の紀行文である。1989年から10年間で専門に所縁がある街を訪れる。日本人の多くが知らないと思われる街ばかりで、旧版は全く売れなかったらしいが、新版の売れ行きも推して知るべし。しかし、90年代前後のちょっとした田舎の中国人の生活を感じることができ非常に面白い。尤も、あくまで当時の話であり、現在の中国は全く別物であることも十分に認識すべき。80年に亘る日本の経済発展を中国は40年に圧縮して経験している。著者は天安門事件時に北京にいたらしく当時の生々しさにも触れられる。2019/07/11