日本の名随筆 〈3〉 猫

日本の名随筆 〈3〉 猫

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784878939037
  • NDC分類 914.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yu

26
青空文庫にて、柳田國男さんの「どら猫観察記」のみ読了。 犬や他の動物と人間の関係性と、猫と人間の関係性を比較している箇所が、何とも興味深かった。思わず、なるほど!と。 伊坂幸太郎の「夜の国のクーパー」ばりに、一回猫の気持ちを聞いてみたいもんだ。 もし猫にインタビューしたら、第一声が「めんどくさい。」に1票(笑)。2013/04/12

燃えつきた棒

25
うちのクロ どこの野良奴と 逃避行/ クロが失踪してまるひと月が経った。 そんな寂しさからこの本を手に取った。 内田百閒「彼ハ猫デアル」:クロと同じ子猫の話なので、在りし日のクロが偲ばれて楽しい。 伊丹十三「猫」:猫の調教の様子が楽しい。クロのじゃれる姿が思い出される。この人の文章は映画と同じく軽妙洒脱。 石田孫太郎の「猫と色の嗜好」に、猫は赤色を好むとある。 クロが帰ってきたら、真っ赤な首輪を買ってあげよう。 以前していた金の首輪も、とても似合ってはいたけれど。 2017/11/10

Sakie

7
猫好きな人や、左程でもない人の、猫を中心に置いたエッセイ集。左程でもないとはいえエッセイに書くくらいだから猫好きな側ではある。猫は人間の生活にすっと入りこむ。子供染みた愛玩だけでなく、気ままに生きる猫をただ眺めて物思いしている、そういう大げさでない日常描写が良い。しかしその幸せと喪失感は引換えで、行間に滲む度、猫の存在感というものを想う。柳田國男のヴェネツィア他における猫事情観察と、導かれる猫族の行方の考察は、意外なような、らしいようなで面白い。編者はさぞたくさんの猫エッセイと格闘されたことだろう。2015/07/13

misui

6
アンソロジーテーマは「猫」。世に猫キチの種は尽きまじとは言うが、安定の百閒先生から阿部昭まで、各々思い入れたっぷりの文章が三十も集まると壮観である。が、その中でも異彩を放つのが麿赤児で、猫がよそからくわえてきた魚を自分が猫に変身して返しに行くという、返しに来られる側にしてみればたまったもんじゃないエピソードが綴られている。麿赤児が、魚の切り身をくわえて、四つん這いで、ご家庭に。2012/05/24

清少納言

5
猫と人間がいれば、ストーリーも百種百様。それを物書きが自ら語るのだから贅沢な一冊!谷崎潤一郎が、相槌を打つのが面倒だから、見えない尻尾を振って応えているつもりだという(端から見たら無視?)エピソードや、麿 赤兒の、隣家の魚を盗った猫の詫びに、自らが猫のふりをして魚をくわえて返しにいったという驚愕エピソードが強烈。特筆すべきは、夏目伸六。漱石は猫より犬を愛したとか。「あるある!」と思ったり、にんまりしたりしながら、心が温まった。2014/06/25

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