内容説明
新たなアメリカとアジアの関係を形成するうえで、20世紀半ばの文化冷戦の歴史的考察は避けて通れない。世界規模で進められた米国の広報宣伝活動のうち、本書では日本、韓国、台湾、フィリピン、ラオスでのその実態を考究する。
目次
総論 文化冷戦期における米国の広報宣伝活動とアジアへの影響
第1部 米国政府による広報宣伝活動と民間の協力(米国広報文化交流庁(USIA)による広報宣伝の「民営化」
米国政府組織とハリウッド映画産業界との相互依存関係
日系アメリカ人のシティズンシップと映画『新しい隣人』
米国広報文化交流局(USIS)と台湾「自由」映画陣営の形成
戦後台湾におけるロックフェラー財団の援助事業)
第2部 アジアにおける「アメリカ」の受容と再解釈(台湾の放送産業への「米援」と国民政府の対外宣伝;米軍政下の朝鮮映画―「光復映画」から「反共映画」へ;朝鮮戦争期における国連軍の捕虜教育プログラム;中央情報局(CIA)の介入に揺れるフィリピンのコミュニティ開発
ラオスにおける米国の冷戦政策とモン族)
第3部 文化冷戦研究のためのレファレンスガイド
著者等紹介
貴志俊彦[キシトシヒコ]
日本学術会議連携会員、神奈川大学経営学部教授。東アジア地域研究、歴史学、地域情報学
土屋由香[ツチヤユカ]
愛媛大学法文学部准教授。アメリカ研究、国際関係論、ジェンダー史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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