内容説明
百貨店の赤木屋は会長の藪田とその愛人の美恵子に支配されていた。ある日、監査役の水上のもとに「三十万株以上の株主」と名乗る正体不明の男たちが現れた。「赤木屋を私物化している藪田と美恵子の経営責任を追及せよ、さもないと訴える」と恫喝された水上は絶体絶命の危機に…。外資の買収戦略を描く戦慄の企業法律小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
48
プライベートの時間に仕事の本は読みたくないし、でも勉強もしないといけないし・・・ということで妥協の結果ときどきこういう本を読む。小説としてそこそこ面白く読めたし仕事の参考にもなったのだが、いかんせん筆者(現役の弁護士)が書きたいことを小説に託して書いた以上のものではなく、むしろ著者の言いたかったことは後書きを読めば分かる。主人公の変身ぶりが唐突過ぎるし悪役は淡泊過ぎるしストーリーもイマひとつ未消化という印象で、3倍くらいのボリュームで書いたらずっと厚みや深みが出たのでは。現役の弁護士にそんな時間はないか。2024/05/24
まつうら
34
監査役といえば会社の重役で、多くの場合はその会社の社長が監査役を任命する。だから監査役は社長に頭があがらないのが普通だが、社長が間違いを犯したらそれを糺す義務を負っているのだから矛盾している。この作品の水上監査役もこの矛盾に悩むが、悩んだ末社長と戦うことを決意するのだから立派だ。著者のあとがきで「盲目的な取締役、監査役には、法は席を与えない」という裁判所の判断に触れられている。監査役なら戦うべしという著者の主張を感じるが、人事権が社長にある以上、そう簡単ではないのが何とも難しいところだ!2022/05/06
Hideki Ando
4
監査役の業務について,旧商法に基づいて書かれている。当時と比較して,もはや,外資による買収が当たり前になった時代になったが,ワンマン企業というのは今でも結構あるのだろう。2018/04/11
やす
2
スリリングで面白かった。監査役が法律的にこんなに強いとは。 商法の知識が全くないので法律の部分を理解するのは難しかった。2017/04/25
あんさん
2
監査役がこんなことまで出来るとは。法律の条文を読んでるだけでは実感できない内容。2016/02/13
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- 和書
- 舌を回して若返る