出版社内容情報
クンデラは自らのどの小説においてもナルシス的な登場人物の物語を描いた。本書はかれの小説をこのテーマに沿って読み解いていく。
ローベル柊子[ローベルシュウコ]
著・文・その他
内容説明
社会やそこに生きる人間に「喜劇の優しい微光」を投げかける―そのような作品を数多く手掛ける越境作家ミラン・クンデラ。自ら抒情的態度を超越し詩人から小説家へと「回心」した彼の、人間のナルシシズムに向けた笑いとメランコリーを解き明かしていく。
目次
ナルシスという宿命
第1部 ナルシスたちの物語(自己演出の挫折;滑稽なナルシス;苦しみのナルシス;諦観のナルシス;凡庸さとの和解)
第2部 小説家とナルシシズム(語り手と作者の共犯関係;ポストモダン的自意識;自己についてのエクリチュール;越境作家のアイデンティティ;「私」の唯一性を求めて)
著者等紹介
ローベル柊子[ローベルシュウコ]
1981年東京生まれ。2011年東京大学大学院博士課程人文社会系研究科単位取得退学。2013年ストラスブール大学比較文学研究科博士課程修了。博士(比較文学)。2012年より静岡大学情報学部専任講師、准教授を経て、2018年より東洋大学経済学部准教授。専攻はフランス文学、比較文学、ヨーロッパ文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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