内容説明
映画、SF、コミック、宗教、悪趣味、セックス、スポーツ、殺人、来るべき未来…20年間にわたって書かれた書物の百鬼夜行。ラジカルな読書人のための超弩級最強書評集。
目次
第1章 HYPER REAL
第2章 MAGIC LANTERN
第3章 BODY POLITICS
第4章 Murder & Meyhem
第5章 SOCIAL DISORDER
第6章 BAD TASTE
第7章 Human Behavior
第8章 ANIMAL DESIRE
第9章 EXOTICA
第10章 NEW WORLD ORDER
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
26
近年刊行された書評集のなかでは、いろんな意味で最強の一冊と言っていいだろう。まずは実際に、書店でその質量を体感してほしい。いまはなき月刊少年ジャンプばりの大ボリュームに圧倒されることだろう。ジャンルは、映画、SF、アメコミ、殺人、ポルノ……と多岐にわたり、その濃密さには驚嘆するというよりも、むしろ呆れかえるほかなかった。極めつけは、アメリカ映画史上最低の監督として名高いエド・ウッドの短篇小説「バンシーが啼いた夜」の全訳が収録されていることで、もはやこれはおまけの域を超えて、記念碑的ともいうべき仕事である。2012/09/05
HANA
23
書評集。ありとあらゆるものが詰まったヴンダーカンマーへようこそ。著者の二十年にわたる書評を集めたものなので、兎に角その範囲が膨大な事に圧倒される。SFが論じられていると思えばいつの間にか映画の話になっており、それがさらに別の話まで繋がっていく。ジャンルごとにわけられているものの、融通無碍に繋がって全ての書評が渾然一体となって、これ一冊を形成している。読んでいると、読みたくなる本が次から次へと出来てくるのだが、二十年に渡る書評なので、今では古本でしか手に入らない本も多いというジレンマに身を焦がされます。2012/10/13
緋莢
16
翻訳家、映画評論家、殺人研究家という肩書が紹介にある著者が1990年から2010年まで様々なところに発表した書評を集めています。漫画版ナウシカと同じくらいの大きさで ページによっては二段、三段にびっちりと文字が書かれており、それで600ページ超えという厚さ。しかも、取り上げている本は、そこらのブックガイドではあまり目にしないようなものが多数。最相葉月『星新一 一〇〇一話を作った人』、山本弘『MM9』など、読んだことのある本もありましたが ほんの一部(続く2023/12/16
たんたん麺
13
最低というのは何と生きる力を与えてくれるのだろう!ものすげえ本です!2014/03/31
うめうめ
12
ここ最近の書物の中では、最高の読書体験を感じさせてくれる名著。発売されてから今日まで9ヶ月間の少しずつ味わいながらの読書は、本当に至福の時間だった。読みたい本が山のように増えていくのも快感。書評集としての内容は文句のつけようもない素晴らしさだが、この本は装丁がまた凄い。ページ毎に異なるレイアウトに圧倒された。これから何度も読み返すだろう史上最強の書評集。★★★★★2013/06/23