目次
暗渠
三千世界
空洞
水の音
著者等紹介
岡田一実[オカダカズミ]
1976年富山市生まれ。2010年第3回芝不器男俳句新人賞にて城戸朱理奨励賞受賞。2014年第32回現代俳句新人賞受賞。2015年「らん」同人。現代俳句協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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atomos
7
好きな五句 秋晴や毒ゆたかなる処方箋 碁石ごと運ぶ碁盤や梅月夜 スポイトの春たけなはの空気かな 焼鳥の空飛ぶ部位を頂けり 歌留多いま華冑の恋を散らしけり2019/07/06
豆ぐみ
4
1976年生れ「らん」同人の句集。ちょっと持っていかれるような感じで魅力的。装丁もすてき。 骨の句がいくつか。メメントモリか。 煮魚の涼しき骨を展げけり/墓いまだ吾の骨なしに灼けにけり 他に好きな句は 火蛾は火に裸婦は素描に影となる/芯のなき赤子の首の昼寝かな/発つ鳥に一枝弾みて八重桜/背子の名の浮人形やすぐに浮く/母と海もしくは梅を夜毎見る/花菜売る店の奥処に暮しの灯/飛ぶ鴨に首あり空を平らかに/口中のちりめんじやこに目が沢山/かたつむり焼けば水焼く音すなり/飛行機に百の魂浮く冬の空 などなど2018/10/05
あなた
3
「口中のちりめんじやこに目が沢山」やっぱこの句すごく好きだなあ。目がたくさんなんだけれどそれはぜんぶ口の中にあってしかもこんなにたくさんの目があるのにそれらはもう機能を失っててでもこれからこの口の所有者の栄養素となってこの所有者の身体のいちぶに二つの目になってゆくのかもしれなくて。目はこの世界のどこをじゅんかんしてるんだろう。岡田俳句を読むとこのからだのじゅんかんをすごく意識する。私はすごく疲れたときになぜかふっとすごく岡田さんの俳句を読みたくなる。わたしやあなたのからだのひみつがここにあるんだとおもう。2021/12/05
yuka yamauchi
2
地上に生きていることを思いだす 仰ぐものに果てがなくて、地下は底が知れないこと 体感を含む視野のすべて2019/01/28
あや
2
ごく短い詩形の中に延大な世界が広がる。2018/12/28