内容説明
十五歳でのちの大正天皇と御成婚。四人の皇子の母となり、病気がちの大正天皇を支えて激動の時代を生き抜いた。その波瀾の人生を豊富な資料と丁寧な取材で描ききる。
目次
第1章 利発な姫君(幻の伝記;九条家の謎;幼児体験;トレビアン;ご婚約内定;破談のドミノ;皇太子の立場;長い長い一日)
第2章 聡明な皇后(新婚の日々;親王御降誕;皇室の伝統;皇太子妃という仮装;結婚十年後の病;明治天皇崩御;ある噂;裕仁親王妃内定;宮中某重大事件;皇太子の外遊;遠眼鏡事件;質素の範;大地震発生;未曾有の大祝典;皇后の役割;九条武子夫人;秩父宮のお妃選び)
第3章 国民のおばばさま(天皇の病勢報道;皇太后になった瞬間;皇太后の熱意;嫁教育;銀のボンボニェール;第三皇子の結婚;皇子単行;皇太后と皇后;皇室外交の先駆者;母として;戦勝ムード;防空壕での暮らし;両陛下との話し合い;悲母観音の相;皇太后の覚悟;六十七年の生涯)
著者等紹介
工藤美代子[クドウミヨコ]
昭和25年、東京都生まれ。チェコスロヴァキア・カレル大学留学を経て、同48年からカナダ・バンクーバーに移住し、コロンビア・カレッジ卒業。『工藤写真館の昭和』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
18
貞明皇后は、私心を極力抑え国母や皇后として国家・天皇、国民に尽くされたことがわかりました。国が衰退しつつあり、また天皇家に対する世相が揺らいでいる今こそ皇后の役割は大きいように感じました。2024/10/08
みなず
5
あとがきを読んでビックリ、なんとも大がかりな雅子妃殿下への警鐘だとは…そして大正天皇の心身の健康状態にもビックリ。猛女な国母の節子皇太后、優しさと強かさ。2013/09/26
明野 立佳
4
立派な方だったのだな。というか、気品ある立派な女性。 国母ということはこういうことかと思った。2011/10/12
恵美
3
明治と昭和に挟まれて印象の薄い大正。その大正時代の皇后の一生を追った作品。貞明皇后はまことに気品と威厳と英明さにあふれた皇后だったのだな、と感じだ。今の皇室にもこんな毅然とした重鎮がいてくれたら、眞子さまの件もすぐに決着がつくのに。2018/04/23
そらいろ
3
【図書館】大正天皇妃・貞明皇后の生涯をまとめた1冊。時代背景、エピソードや御歌などから紐解く皇后は、聡明で細やかで愛情深く、(失礼ながら)肝の据わった方という印象。気品ある女性…ただ大人しく従順なだけじゃない、本当の大和撫子ってこういう方のことを言うのでしょう。皇太子妃(後の香淳皇后)との関係なども背景がきちんと描かれているので、嫌な印象は持たず、人間味を感じました。禎子女王の事にも触れられていますが、先に読んだ『皇太子婚約解消事件』とは参考文献が随分と違うためか、重なるエピソードでも随分と違っています。2012/05/06
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