出版社内容情報
鳥は空を海獣は海を、自由に時に何千キロも移動する。人間の環境破壊は動物たちの命を脅かし、弱い生物の絶滅は食物連鎖を破壊する。野生を見つめることでかけがえのない地球と命の連環が見えてくる。
目次
春(「湿原の神」から「農村の鳥」へ―タンチョウ;奇跡の復活なるか―ハクガンとシジュウカラガン;人に翻弄された歴史―ラッコ;赤道を越えて―ハシボソミズナギドリ)
夏(南北の海を繋ぐ―アホウドリ類;舟を彫る鳥神―クマゲラ;謎の多い生態に挑む―ウミスズメとカンムリウミスズメ;試される保護管理―エゾシカ;海鳥とともに生きる町―エトピリカとケイマフリ)
秋(漁業との共存を目指して―ゼニガタアザラシ;「鼾をかくもの」たちとの共存―トド;ささやかな一期一会―タカ類)
冬(大陸と関係の深い「雪鳥」―エナガ(亜種シマエナガ)
「沖の神」の今昔―シャチ
人工水路に蘇る原風景―オオワシとオジロワシ
狙い狙われる狩人―コミミズク)
著者等紹介
千嶋淳[チシマジュン]
NPO法人日本野鳥の会十勝支部副支部長。1976年群馬県生まれ。帯広畜産大学卒業(野生動物管理学専攻)。海鳥・海獣を中心に野生生物の調査やガイド、撮影を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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yamakujira
5
「環境調査を仕事にしている筆者の体験や思想を極力反映させたいとの思いから海鳥・海獣のウエイトが大きく、ヒグマやシマフクロウなど北海道を代表する動物なのに登場しない種もあります~」と序文で断るように、キタキツネもエゾリスもイイズナもエゾヤチネズミも登場しないのは物足りないけれど、登場する動物だけでも十分に興味深い。副題に「人と野生の距離感」とあるように、単なる動物紹介じゃなくて、農漁業被害、交通事故、混獲、駆除、海洋汚染などの課題を教えてくれる。写真がすべてモノクロなのがもったいないなぁ。 (★★★☆☆)2019/01/20
みずのり
2
実は知人の本。一緒に調査の船に乗せてもらい海鳥やアザラシを追いかけたときの匂いや音、そして感動がありありと蘇ります。生態のみならず、アイヌとの関連や古書の記録などにも詳しいことが本書で改めて実感しました。2015/06/14
pino
2
著者の動物への愛が行間から溢れ出ており好感が持てます。写真もいいけど、文章がまた素晴らしく、読ませる文。北海道に行きたくなります。2014/11/09
古青
0
北海道に住んでるのに野生動物の事は良く知らないので読みました。その動物知るために、これまで行われて来た活動とか歴史とかが解って面白かったです。自分の無知を改めて認識しました。野生動物の事を良く知らないまま自然に踏み込む弊害を知りました。自分もカメラやるのでもっと勉強しようと思いました。2015/03/08