内容説明
渥美半島の先端、封建的・土着の農漁村に根を下ろし、地域のボスと戦いつつ、“ルポルタージュ文学”のジャンルを開拓、先駆的役割を果たした明平さん。一方、大作『小説渡辺崋山』を書き、イタリア・ルネッサンス文学や歌人研究―等々、驚くべき読書量をベースに縦横無尽、多彩な活動をつづけてきた彼と同時代を生きた文学の僚友、親しく交わってきた生活周辺の人々によって、その愛すべき実像を活写する。
目次
1 心友の眼に映る(明平さんとカレーライス;黒い怒りのゆくえ;杉浦明平さんと「群像」と私 ほか)
2 近くに見る(哄笑の文学―杉浦明平讃;明平さんの哄笑;人間模様と文学と ほか)
3 故旧より(成熟した眼―杉浦明平『渡辺崋山』;杉浦明平『ノリソダ騒動記』;杉浦明平『田園組曲』 ほか)
4 渥美の風土から(驥尾に付して五十年;畑と書斎;清田小学校の卒業生)
付 放談会 傘寿・明平さん―思いっきり、明平さんの悪口を出さまいか