内容説明
古代以来の仏教伝統+明治以後の宗教概念の成立=「近代仏教」とは何か?―日本仏教史の傍流や近代思想の周縁ではなく、近代日本の精神的支柱として近代仏教を捉え、明治から昭和の青年たちを動かした宗教改革・政治参加・アジア主義・超国家主義および反戦運動の諸相を分析することで、近代思想史研究の新たな可能性を開拓する。
目次
近代仏教研究は何を問うのか?
1 近代仏教を問い直す(「近代仏教になる」という物語―日本近代仏教史研究の新たな視座;明治期の「新しい仏教」の形成と展開―仏教青年たちのユースカルチャー;昭和初期の「新しい仏教」をめぐる動態―伝統仏教・新興仏教・反宗教の交渉と葛藤)
2 国民国家と近代仏教(政治参加する仏教者たち―仏教の公共的役割をめぐって;ナショナリズムと仏教の共‐構成―一九二〇年代の国柱会の社会教化活動;戦争は罪悪か?―二〇世紀初頭の仏教者の非戦論)
3 越境する近代仏教(仏教アジア主義のゆくえ―日蓮宗僧侶・高鍋日統の内蒙古布教;交錯する超国家主義と仏教―宗教的セクトとしての血盟団;反戦・反ファシズムの仏教社会運動―妹尾義郎と新興仏教青年同盟)
著者等紹介
大谷栄一[オオタニエイイチ]
1968年、東京都生まれ。東洋大学大学院社会学研究科社会学専攻博士後期課程修了。博士(社会学)。(財)国際宗教研究所研究員、南山宗教文化研究所研究員を経て、現在、佛教大学社会学部准教授。専攻は宗教社会学・近現代日本宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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