出版社内容情報
美に感動することを常に研究の出発点としていた著者による、日本美術の自画像を鮮明に描こうとした晩年の労作。
目次
序 美術史と美術
考古学年代の問題
古墳美
日本彫刻の問題点
奈良朝美術の複雑性
神像の問題
絵巻物について
雪舟
人体美の芸術と浮世絵
世界の光琳
無限の宝庫・日本美術史
感想・レビュー
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takasho0315
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陰翳礼讃の至妙なる一篇「すべての研究は、自分の直接なる注意深き観察に基づかなければならないことである。だから一層難かしいとも言わなくてはならないが、比類なく面白いとも言えるわけで、一層、奮い立って、独自の解釈によって建設す可く、若い捉われざる人々は野心的に満進すべきではなかろうか。何れにしても、美術史を本ばかり読み写真ばかり見て研究するかの如き現代には、本を読むだけでは間に合わないこの領域に突き入るだけでも、美術それ自身に直接ぶつかる機縁を与えて、貢献するのではなかろうか」。2021/02/20