内容説明
国家か、それとも「帝国」か?―EUを「多次元的ネットワーク・ガバナンスのシステム」として捉え、その意思決定過程と政策の執行過程とを分析する。政治社会学の最新の知見を援用しながら、EUのもとで展開されている「埋め込まれたネオリベラリズム」の実像を抉りだし、欧州憲法条約に対する市民の拒否反応の背景に迫る。
目次
第1章 グローバリゼーションにともなうEUと近代国家の変容―欧州統合をめぐる若干の基本問題に寄せて
第2章 国家性の脱国民化―国境を越える融合官僚制の形成
第3章 政治システムの脱国家化―政治過程への市民社会の関与
第4章 環境政策における多次元的ネットワーク・ガバナンス―市場指向・自己規制型アプローチの台頭
第5章 EU社会政策の展開―シュムペーター主義的勤労福祉ポストナショナル・レジームの形成
第6章 国家か、それとも「帝国」か?―EUの社会学的分析に向かって