内容説明
本居宣長の思想の基本に「自然」(おのずから)の観念を認め、これを多面的に考察し、宣長研究に新しい地平をひらいた気鋭の刺激的な力作である。「自然」の観念が、日本の思想・文学の根底に流れることを思う私は、著者が本書を起点として、さらに日本の思想・文学の全体の理解に新しい光りをあてることを期待する。
目次
第1章 「心」の構造(あらしめられた「心」;和歌的共同体の心性;ナショナリズムの心性)
第2章 「心」の構造(伝統への帰属;内的秩序の回復)
第3章 「自然」と「神」(「自然」の深化;神国共同性と「自然」)