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北条氏康の家臣団―戦国「関東王国」を支えた一門・家老たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800316103
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0221

出版社内容情報

 2018年は小田原開府500年、2019年が初代早雲の没後500年にあたり、小田原市を中心に多くの記念事業が予定されています。その中心となる北条氏の中で、3代目氏康は、信玄・謙信と同時代にあって彼らの進攻を幾度も撃退し、北条氏最盛時代を創出しました。軍事面では無敗、領国経営でも有能で、民衆からの支持が非常に高かったというのが稀有な戦国武将というわれる所以です。そこで本書では、北条氏研究の第一人者である著者に、北条氏康が戦国の世でどのような存在であったかという点をふまえながら、戦国関東の実態を明らかにします。

内容説明

当主の分身として、ときにその役割を代行する“一門衆”、家臣や領民支配の執行にあたる“家老衆”。彼らの存在なくして、戦争(軍事)も統治(行政)も成り立たない。どのような家が、各々何の役割を担っていたのか?他の戦国大名家では決してみることのできない家臣団組織の全容を、史料が豊富に残る北条氏康の家臣団を素材に解き明かす!

目次

第1章 父氏綱から引き継いだ遺産(氏綱の遺言;書き置きの内容 ほか)
第2章 両上杉家の打倒と北関東への進出(軍事行動の再開;駿河河東からの撤退 ほか)
第3章 世代交代の始まり(すすむ家老の世代交代;相次ぐ家老の代替わり ほか)
第4章 氏政兄弟衆の台頭(氏政に家督を譲る;北条三郎(宝泉寺殿)の死去 ほか)
第5章 武田信玄との抗争と越相同盟(駿河への出陣;駿河における防衛体制 ほか)

著者等紹介

黒田基樹[クロダモトキ]
1965年生まれ。駿河台大学教授。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。戦国時代研究を専門とし、国衆論など従来の戦国時代像を書き換える研究を進めている。大河ドラマ『真田丸』時代考証。とくに小田原北条氏研究の第一人者として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本

113
北条氏綱、氏康、氏政時代の北条家を支えた家臣団の解説本。約30年間を纏めた一冊であり、読み進めるのに苦労したが読了。家臣団の世代交代や役割の変化など知らなかった事が多く、他の大名家でもこういう類の書籍を読みたくなる。しかし北条家は一門衆が多いな、と改めて感じる。2019/02/04

roatsu

25
小田原北条家の家老そして一門衆が担った役割や事績にフォーカスし紐解くことが同時に、氏康・氏政期の30年間にわたる同家の領国統治や直面した軍事、外交上の出来事をなぞる上での肉付けとしても機能する優れた一冊。同家の歴史のより有機的な理解に役立つ。有名な所領役帳を始め現代での研究に多数の史料を遺す同家の筆まめさと几帳面さに改めて驚く。氏康弟で、若くして世を去った彦九郎為昌の存在の大きさが印象深かった。後書きにもある通り小田原北条家と戦国史研究が大きく進んだ平成の30年間と対象となった同時代の30年間という数字を2019/04/26

YONDA

18
御一家衆と家老の役割が、氏康と氏政で変わっていくのが興味深い。内政・外交・軍事と汗をかいて動き回る御一家衆と家老。氏照がこれほどまで優秀だとは知らなかった。大名が子孫繁栄を望んだのは、信頼のおける部下の確保。それが家を維持するためにも必要だったのだとわかります。2019/12/04

nagoyan

17
優。情報量が半端ない。しかも、ほぼ未知な事柄。あとがきで著者は新書なので具体的な考証過程は省略しているという。とはいえ、圧倒的な事実の積み重ねが、重要な指摘の説得力を十分裏付けているように感じる。戦国大名の家臣団の実態は史料上の制約からわからないことが多い中、北条氏康時代の家臣団についてはその実態が明らかになってきた。本書は、その一門、家老たちの重臣の動向を焦点に北条氏の活動を描く。重臣の存立要件が、中世的家格意識は無論あるものの、むしろ、当主とのパーソナルな関係性にもとづいた距離感にあるように感じた。2019/02/21

MUNEKAZ

14
北条氏康の代における小田原北条家の一門・家老ら上級家臣の変遷を描いた一冊。地味目なテーマながら、領国の拡大に伴う家臣団の役割の変化や、当主の分身たる一門の大切さがよくわかる。北条家というと一門の仲の良さ、とくに氏政・氏照・氏規・氏邦ら兄弟の結束が有名だが、逆に彼らの父たる氏康の政権開始時には、弟2人が早世&病弱で恵まれず、叔父・宗哲や家老衆の存在が大きいのは印象的。もしかしたら氏康自身が自らの経験も踏まえて、子供たちに兄弟の大切さを教育していたのだろうか(結果論だが大身の家老は滅亡時に裏切ったからね)。2020/09/14

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