内容説明
珍作、迷作、そしてその存在すら定かではない幻の作品の数々!1980年代のビデオ・バブル期にリリースされ、そして人知れず消えていった“ゴミビデオ”の数々!
目次
第1章 名は体を表す(『仁義なきニンジャ 香港代理戦争』;『殺人豚』 ほか)
第2章 「悪魔」「ゾンビ」「モンスター」の“グッチャグッチャ”ムービー(『ロボハンター 霊幻暗黒団大戦争』;『悪魔の毒々サーファー』 ほか)
第3章 奥さん、買いの1本ですぜ!(『家庭教師』;『鬼の詩』 ほか)
第4章 信じるも信じないもあなた次第―幻のビデオ(『実録・スカートまくり撮り』;『大残酷大陸バラバラ』 ほか)
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年、神奈川県生まれ。「デルモンテ平山」名義で、数々の映画・ビデオ批評を執筆。1993年『新「超」怖い話』で本格的な執筆活動を開始。1996年『SINKER 沈むもの』で小説家デビュー。2006年、短編「独白するユニバーサル横メルカルト」で日本推理作家協会賞短編賞、2010年『DINER』で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
デブのマラソンや予算をまったくかけていないホラー。C級どころかZ級の数々がここに顕現する!伝説のレビューがとうとう一巻にまとまって発売。よく聞きはするものの一度も読んだ事がなかったので、期待に震えながら頁を捲る。いや、想像以上に凄かったです、コレ。レビューのはずなのに感想どころか内容さえ全く伝わって来ない上、読んだ後何も残らない。もう読んでいる間中、狂喜乱舞でした。時代の徒花として毒々しい色に咲いていた数々のゴミビデオ、鎮魂の意味でもこうやってまとまったのは意味がある気がします。気がするだけでしょうが。2017/01/19
hanchyan@ふむ……いちりある
38
かつて学生の頃、部室に行くとたいがい誰かがなにか“ビデオ”を観ていて、ときにはものすごく胡散臭かったり得体のしれないモノだったり、あるいは稀に伝説級の名作だったりして、大いに見聞を広めたものだ。その感覚が甦る。主に前者の方のな(笑)。いやあ。著者の、テーマを絞ったうえでのカジュアルな文体が、無名時代から今日の名調子に至る変遷も含めて楽しめる。あと、紹介されてるプロットを見る限りたしかに”ごみクズ”かもなのだが(笑)、ボロカス言いながらも根っこにはこれらのジャンク作品群への深い愛がある。…気がするぞ(笑)2019/04/30
澤水月
34
昭和から平成に変わる頃のゴミビデオ評集。「男女100人絶頂物語」「彼女がトカゲに喰われたら」など副題もバブリー(ぇ?)。書き出し「ニャーとくればキャットですが…」や「うどんとクレーンほど違う」「まんじゅうの中のバットのように目立つ」「中華屋の前でズル、バーガー屋の前でムシャ、てなうちに」…忘れられず感染。突如邦画評(割に真面目)も混じる。もう21年も前のエド・ウッドとサイテー映画の世界「黄色ページ」から精選シャッフル。著者前文、エド…と同じだったが町山さん前文「ウソも書いてます」あってもより良かったか2017/01/14
牙生えかけのサイコ
19
風邪で床に臥せっている状態で読んだら、得体の知れない活力が湧いてきた、トンデモ映画レビュー本。快活な平山節で語られるレビューに「この映画マジか」と検索すると、割と真剣に作られてたり、真剣に血迷ってたり、の数々。映画の内容もヒドいし平山さんの語りもヒドい。「紅白歌合戦ラリホ〜版」「腐った牛乳をかけた冷やし中華を2年は漬けたようなタイトル」「若大将が血尿をするようなとんでもないプロポーズ」…どんなだよ?!ひっでぇー!!と叫んでいたら私の風邪も全快したのでした。メデタシメデタシ。2017/02/28
vaudou
15
「ビデオドローム」の名シーンが表紙で、はい最高。なんとも見世物小屋的でこれでもかってくらい即物的なZ級映画の百本ノック。なんせ邦題の特盛り感が尋常じゃなく、ゴミ映画でも磨けば光るといった感じの期待を微かに抱かせる秀逸なタイトルの数々は圧巻。そしてデルモンテ平山先生の文章も負けず劣らずどうかしてる脳漿のブチまけっぷりですが、こうしてまとまったものを読むと、このサイケなグルーヴ感がだんだん心地よくなってくるのもまた確か。「マニアック」「ドリラー・キラー」など、後にカルトムービーと呼ばれるホラーも登場。2017/01/21
-
- 和書
- 金正恩著作集 〈2〉
-
- 和書
- セイレーン ハヤカワ文庫