歴史新書
日本から城が消える―「城郭再建」がかかえる大問題

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  • サイズ 新書判/ページ数 283,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800310149
  • NDC分類 521.82
  • Cコード C0221

出版社内容情報

明治以降に建てられた城郭の歴史を追うとともに現在直面する問題点および復元のあり方を問う。

内容説明

戦後に再建された天守の多くはすでに五十年をすぎ、耐用切れの問題が浮上している。一方、名古屋城や江戸城などを中心に木造復元を求める声が高まっている。しかし木造復元は、費用や材料の問題以前に、じつは法律の壁が大きく横たわっているにもかかわらず、報道ではまったくふれられていない。はたして木造天守は建てられるのか?耐用切れの城はそのまま消えてしまうのか?その答えが本書に示されている。あなたの町の城も、地域をあげて真剣に考えなくてはならない時がすぐそこまで来ている―。

目次

序章 建て直しをめざす現場から
第1章 城郭再建の興り―明治~昭和戦前
第2章 文化財と乖離する再建―復興のシンボルとして
第3章 バブル経済とふるさと創生のなかで―平成の城郭再建ブーム
第4章 巨大建築物をどう造るか―城郭復元の実際
第5章 どこまで進んでいるのか 城跡全域の整備・復元
第6章 浮き彫りになる城跡がかかえる問題点―城の原景観と観光化
第7章 日本から城が消える
特別編 熊本城の地震被害状況と未来

著者等紹介

加藤理文[カトウマサフミ]
1958年生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業、博士(文学)。静岡県教育委員会を経て、現在、袋井市立浅羽中学校教諭。公益財団法人日本城郭協会理事・学術委員会副委員長。城郭研究家、とくに織豊系城郭が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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ポチ

47
現在の国宝の城は除いて、戦後に再建された日本のあちこちにある鉄筋コンクリート(RC)造りの城は、耐用年数がそろそろ危ないらしい(名古屋城・広島城・小田原城・熊本城…など)。では、壊して本来の木造で復元しようかと思っても、建築基準法が邪魔をして造れない…!RCの耐用年数切れで泣く泣く壊すか、大坂城の様に色々な補修工事をして耐用年数を延ばすかしかないのか?本著にもあったが、最終的には、市民の熱意により国を動かし法律を変えるしかない。2016/10/27

山猫

14
本著出版の3年後、首里城は焼け落ちた。なんと「消火」のためのスプリンクラーを設けず、「延焼防止」のためのドレンチャーしか設けなかったという。「昔のままに」再建するという言葉の意味を履き違えているとしか思えない。エレベーターや昇降機などを設けないのも、バリアフリーの観点から何か違うと思う。 海外の石造りの城や教会でも、再建や修復の際には新たな防火設備を加えるのが、一般化しているし、塔に登るためのエレベーターを設置するのが当たり前になってきているというのに……2023/09/04

MORITA

4
戦後に再建された鉄筋コンクリート(RC)造りの天守に耐用期限切れの問題が迫っていることに初耳。法的規制がハードルとなり建て替えすら難しいとなると城好きな日本人には大問題!文化財として保護するか、観光の目玉として利用するか。どちらも日本人の心情に沿うだけに解決策は一様ではないけれど、手遅れにならないように手を付けて欲しい。2016/12/29

茎沢

4
先週末に友達と「城巡りは歳をとってもできる趣味だ」という話をしたばかりだったのに…できないじゃないか!!やばい!!百名城回らなきゃ!!2016/10/28

onepei

1
見学のガイドにもなる。2016/11/28

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