歴史新書
殿様は「明治」をどう生きたのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800303790
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0221

内容説明

江戸時代に各地を治めていた藩主は、明治には華族として「鹿鳴館」で開かれる舞踏会場で華やかに踊っていたというイメージでとられがちである。だが、実際には極貧生活にあえぐ者があれば、宮司となって世間の片隅でひっそりと生きる者、はたまた外交官として世界各地を飛び回る者もいた。こうした十四人の元殿様の知られざる生き様をテレビなどでお馴染みの河合敦が紹介する。

目次

第1章 維新の波に抗った若き藩主たち(松平容保(会津藩)―朝敵にされた悲劇の大名
松平定敬(桑名藩)―容保と行動をともにした実の弟
林忠崇(請西藩)―藩主みずからが率先して薩長と戦う
徳川茂承(紀伊藩)―敗走した旧幕府軍兵をかくまう)
第2章 最後の将軍徳川慶喜に翻弄された殿様(徳川昭武(水戸藩)―兄慶喜の身を案じた仲のよい弟
松平春嶽(越前藩)―徳川慶喜に裏切られ通しの坂本龍馬の理解者
山内容堂(土佐藩)―晴らせぬ鬱憤を酒で紛らわせる
徳川慶勝(尾張藩)―実の弟容保と刃を交え、旧家臣たちに心を砕く
徳川家達(静岡藩)―幼くして徳川宗家を継いだ十六代目当主)
第3章 育ちの良さを活かして明治に活躍(蜂須賀茂韶(徳島藩)―祖先の不名誉な噂を払拭するために外交官や官僚として活躍
浅野長勲(広島藩)―三人の天皇と心を通わせた最後の大名
岡部長職(岸和田藩)―長年の欧米生活で身についたマイホームパパ
上杉茂憲(米沢藩)―沖縄の近代化に尽くそうとした名門当主
亀井茲監(津和野藩)―国づくりは教育にありを実践)

著者等紹介

河合敦[カワイアツシ]
1965年東京都生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学。文教大学付属中学校・高等学校教諭。早稲田大学教育学部講師。教育活動のかたわら精力的に執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アイシャ

48
このテーマはずっと気になっていたこと。世の中が大きく変わった時、これまで掌中にあった権力はどうなったのか?わかったことはうまくいけば、廃藩置県後に殿様たちはその土地の知藩事になれること。もともと高い教養のある人たちだからこそ、新政府に重用される人も多かった。新政府の対極にあった殿様の一人松平容保でさえ死一等を免れたのだから。真に辛酸をなめたのはその藩士や領民ということか。大河でそのプリンスっぷりが目立った民部公子、徳川昭武は本当に忍耐強く優秀だったんだろうな。江戸明治大正昭和を生きた広島藩主も印象深い。2021/12/03

トムトム

48
徳川慶喜さんは無血開城の偉人だ!と思っていましたが、当時のお殿様からはケチョンケチョン。まぁ、しょうがないか(;^ω^) 日本各地のお殿様が素晴らしい政治力・外交手腕を持っていた事を誇りに思います。極東の謎のちょんまげ帯刀野蛮人かと思っていたら大間違いよ!非キリスト国で赤十字に加盟したのも、日本が初めてなんだそうな。2020/12/31

kawa

42
お姫様編が面白かったのでこちらへ。容保、春嶽、容堂、家達等の有名どころは既知なこともあるので、無名な殿様の人生のほうが興味深い。慶喜と気が合う弟の水戸藩主徳川昭武。維新では弟・容保と刃を交えながら明治の世では仲良く写真におさまる高須兄弟のひとり徳川慶勝尾張藩主。司法大臣として大逆事件・死刑囚13人(多くは冤罪)の死刑執行の判をついた岸和田藩主岡部長職(ながもと)。沖縄の近代化に尽くそうとして挫折した米沢藩主上杉茂憲(もちのり)等々。2021/07/21

kaoriction@感想は気まぐれに

27
正直なところ、日本の歴史も、知れば知るほどわけがわからなくなってくる…。何が正しくて間違えだったのか。それは正しき道だったのか。答えはおそらく、平成の世になったいまでも出ていない。大政奉還、明治維新、戊辰戦争。それらがなかったら、この殿様たちの半生は違っていただろうし、そもそも日本という国自体がまるで違う国となっていたはず。「たられば」論は尽きず、確かに時代に翻弄された藩主である殿様たちの生き様には興味があるが、その末端である市井の人々の生き様も然りだ。今日、この国で生きているある種の不思議を感じる私だ。2014/12/02

夜の女王

26
明治維新で大名は華族になったと教科書で習ったが、三百諸侯の中には色んな方がいたようで、その内14人の殿様の生きざまを紹介した本。その半分が松平容保、徳川家達等、徳川・松平家の殿様。家柄的に波乱万丈で資料が多いってのもあるだろうが、描き方がかなり好意的(慶喜以外)。特に譜代の林忠崇。彼は1万石ながら、新政府に徹底抗戦。一生戦う心構えでいた一徹者に書かれている。一方、津和野の藩主亀井茲監は、国学神道を信奉。神仏分離、キリシタンの拷問に邁進。写真を見るとかなり極端なタイプに見える。やはり、作者は佐幕派かも(笑)2019/01/26

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