内容説明
大学全入時代にある今日、学生の主体性欠如や文章力低下がしばしば問題となっている。本書は、論理性が求められるアカデミック・ライティングとは異なり、自分自身について掘り下げて書くパーソナル・ライティングに焦点を当てる。パーソナル・ライティングによって自らを学びの起点とすることで、自己認識の深化や学びの主体形成へと繋がっていく―。著者自身が実践した授業プログラムも掲載し、特に初年次教育に関わる教職員にとって有用な一冊!
目次
序章 文章表現教育の今日的課題
第1章 米国における文章表現教育の変遷とPersonal Writingへの着目
第2章 「書く」ことの現代的意義
第3章 目標達成へのプログラム
第4章 パーソナル・ライティングの成果物と教育的効果の検討
第5章 自己形成におけるパーソナル・ライティングの意味
終章 文章表現教育の可能性
著者等紹介
谷美奈[タニミナ]
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程指導認定退学。博士(教育学)。フランス国立国際商業高等専門大学(L’ESCI)およびフランス国立情報通信高等専門大学(L’ESIGETEL)(グランゼエコール)、京都精華大学を経て、帝塚山大学全学教育開発センター准教授。専門は、教育学、表現教育、大学教育学。第13回大学教育学会奨励賞受賞(2017)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
文章表現教育の今日的課題 米国・文章表現教育の変遷 教育的価値 共通点と相違点:書くことの現代的意義 考える主体の形成 学びの起点としての私 文章表現=作品化の教育論的意味 目標達成へのプログラム: 理念と実践 文章記述の生成プロセス 作品と批評 成果物と教育的効果の検討:自己認識のあり方 表現者としての自己形成 世界観の萌芽 教育効果の検討 自己形成・パーソナル・ライティングの意味:後期近代社会とパーソナル・ライティング 新しい学びとしてのパーソナル・ライティング 文章表現教育の可能性2021/05/11
くら
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ずっと積んでしまっていたことを後悔した。筆者は大学教育の実践者で、独自のパーソナル・ライティングを創り、本書ではその意味、実際の具体的な内容や学生の変化、そして限界などが語られている。 読んでいて、かつて自分が取り組んでいた文章講座の中で行なっていたことの意味的な裏付けが得られた一方で、自分自身に不足していた能力(具体的には書かれたものの評価基準や観点)や実践があったなと気付かされた。あの時読んでおけばよかった……。2023/08/12
よっちん
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研究室2021/06/04