内容説明
アーサー王物語の騎士の紋章、愛の悲しみを訴える抒情詩のレトリック、エンブレム・ブックの寓意等、中世から近世にかけて幾重にも重ねられた涙滴文の文学性と、それから浮き彫りになるヨーロッパの恋愛思想。涙と眠のモチーフをめぐる、雲と雨粒、ジョウロと水滴、さまざまな花々や動物たち、擬人化された心臓はじめ、中世ヨーロッパの豊かな形象世界を通じ、人生の有為転変のなか、ひとが「泣くこと」の意味を問う。
目次
第1章 涙のドゥヴィーズ
第2章 武芸試合と涙滴文
第3章 愛の文様
第4章 抒情詩と涙のレトリック
第5章 心と眼の形象化
終章 文様のその後
著者等紹介
徳井淑子[トクイヨシコ]
1984年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得満期退学。現在、お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科教授。専攻は、フランス服飾・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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