内容説明
戦禍にまみれた激動の時代に「反戦平和」を貫いた伝説の名優故・滝沢修の愛と波乱の生涯。拘置所での日々、農民への転身、妻・文子への愛など長男・荘一氏が初めて明かす秘話の数々は、日本の新劇を築いた名優の知られざる生き方をあぶり出し、同時代を生きた人のみならず若者たちの胸をも激しく揺さぶった。大学で国際政治を教える著者が一気に書き下ろした激動昭和史の生々しい証言―。名優・滝沢修の魂を余すところなく描き、改めて平和や家庭の大切さを問う感動のノンフィクション。
目次
第1章 死去伝える各紙の報道
第2章 意に反して俳優の道に
第3章 大戦前夜、新劇弾圧で逮捕される
第4章 思想検事との対決
第5章 東京拘置所での日々
第6章 獄中で知った日米開戦
第7章 農家に弟子入り
第8章 農作業に見つけた喜び
第9章 北海道での移動演劇
第10章 「ど・う・も・あ・り・が・と・う」
著者等紹介
滝沢荘一[タキザワソウイチ]
富山国際大学教授。1936(昭和11)年、東京都生まれ。1960年、東京大学教養学部教養学科アメリカ科卒業。東大新聞研究所(現「社会情報研究所」)修了。毎日新聞外信部副部長、読者室委員兼編集委員、熊本大学法学部教授を経て、1998年から現職。専攻は国際政治論・米国現代政治。新劇俳優の故・滝沢修の長男
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感想・レビュー
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駄目男
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新劇の神様と言われた滝沢修さんが舞台俳優としてデビューしたのは1925年だとか。しかし当初は何をやってもみんなから笑われるばかりで例えばこんな逸話が残っている。ただ一言の台詞「補欠だ」と言いながら大砲に弾を込めるという稽古場面の時、演出家から「滝沢君、オケツじゃないよホケツだよ」と言われ「いや、オケツなんて言った覚えはありません」と答えると「じゃあ、もう一度やってみろ」と。 大きな声で台詞を繰り返すと、まらドッと笑い声が起こったと。 因みに開戦時には、治安維持法に引っ掛かり刑務所暮らしだったらしい。2015/07/04
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