内容説明
元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。
著者等紹介
柚月裕子[ユズキユウコ]
1968年、岩手県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞、2009年、『臨床真理』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウッディ
643
痴情のもつれによる刺殺事件、状況から単純な事件と思われたが、最後の証人の出現により、裁判の行方は一変する。7年前の闇に葬られた交通事故で最愛の息子を失った被害者夫婦の苦悩と周到な計画、公判最終日でわかる叙述トリックなど、読み応えがありました。特に高瀬夫妻の最後の旅行のシーン、「人は選ばなかった方の人生に嫉妬する」という言葉にはグッときました。罪が正しく裁かれるためには、真実を明らかにしなければならないという佐方貞人の信念と命をかけた高瀬夫婦の想い、どちらも大事にしたい。とーっても面白かったです。 2018/04/17
zero1
628
真実を暴くことだけが、正義じゃない。法より人を見ろ。裁判は何のためにある?圧倒的に不利な事件を担当した元検事の弁護士、佐方。ホテル内で不倫が絡んだ刺殺事件。指紋や監視カメラなど、すべての証拠がそろい、単純な事件と思われた。しかし佐方は違う視点から調査。ミスリードが作者の狙い。夫婦の痛みが胸に刺さったが、検察官の無能さなどいくつかの点が気になった。紹介されているように、日本では起訴されれば有罪率は99.9%という現実。あなたも裁判員になる可能性がある。決して刑事事件は他人事でない。シリーズ化している。2019/09/07
抹茶モナカ
617
法廷ミステリーの体裁をとった人間悲劇。事件そのものの真相は、半分くらい読み進めると、わかってしまうのだけど、『最後の証人』のからくりには、僕は引っ掛かった。登場人物それぞれの物語も面白く読めた。この悲劇をどう締めくくるのか、という気持ちで、事件の真相が読めてからも読めた。結構、好み。2015/01/23
ミカママ
543
同じようなプロットを以前読んだことがあるので、衝撃的とまではいかなかったが。子を理不尽に亡くした親の無念が、読んでるこちらまでキツくなって一気読みでした。主人公の佐方のキャラがもう少し強いと、さらによかったかな。続編へGO!*\(^o^)/*2016/08/19
nobby
513
法廷の場面とその事件の様子や背景が交互に進む。その場面転換も、それほどズレずに分かりやすく絡み合う。ただ、それがまさに盲点!最後のどんでん返しは思わず「えっ!?」と声が出たり、ページめくったり、いろいろアタフタ(笑)39条絡めるのかと予想してた自分だったが、見事なミスリードだった。“同志”という感覚で結ばれた夫婦の強さ。最後の光治の決断は複雑な想いだが、正義を守った佐方の弁護にはまた触れたい。2014/11/14
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