出版社内容情報
カントの哲学体系における「自然の形而上学」と「人倫の形而上学」、自然と自由の空隙を埋める「動力学」の解明を試みる論考。
カントは「動力学的」という概念を批判期以前から最晩年の『オプス・ポストゥムム』における「動力学的エーテル」に至るまで、重要な箇所で使用している。動力学的というこの概念は、超越論的という概念と外延を共有している部分もあり、カント哲学体系における「自然の形而上学」と「人倫の形而上学」、自然と自由の空隙を埋める鍵を握っていると思われる。この著作はこのようなカント的動力学の謎を解明しようとする野心的試みである。
第1章 前批判期における「自然の形而上学」の問題点
第2章 『純粋理性批判』と動力学的という概念
第3章 『自然科学の形而上学的原理』における動力学
第4章 人倫の形而上学と動力学
第5章 『判断力批判』と動力学
第6章 『オプス・ポストゥムム』における動力学的エーテル
【著者紹介】
1946年秋田県生まれ。専修大学文学部哲学科教授。著書に『カントと二つの視点』、共著に『西洋の美術』『ジル・ドゥルーズの試み』他、訳書にヤウヒ『性差についてのカントの見解』がある。
内容説明
カントは「動力学的」という概念を批判期以前から最晩年の『オプス・ポストゥムム』における「動力学的エーテル」に至るまで、重要な箇所で使用している。動力学的というこの概念は、超越論的という概念と外延を共有している部分もあり、カント哲学体系における「自然の形而上学」と「人倫の形而上学」、自然と自由の空隙を埋める鍵を握っていると思われる。この著作はこのようなカント的動力学の謎を解明しようとする野心的試みである。
目次
第1章 前批判期における「自然の形而上学」の問題点
第2章 『純粋理性批判』と動力学的という概念
第3章 『自然科学の形而上学的原理』における動力学
第4章 人倫の形而上学と動力学
第5章 『判断力批判』と動力学
第6章 『オプス・ポストゥムム』における動力学的エーテル
著者等紹介
菊地健三[キクチケンゾウ]
1946年秋田県生まれ。専修大学大学院博士後期課程修了。専修大学文学部哲学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。