地域産業振興の人材育成塾

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  • サイズ A5判/ページ数 244p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794807274
  • NDC分類 336.47
  • Cコード C3033

出版社内容情報

全国老舗4軒のノウハウ、9地域の興味深い斬新な取り組みを取り上げ、地域産業における「事業後継者」育成の今後の課題と将来を展望する。

老舗4軒のノウハウ、9地域の斬新な取組から中小企業の後継者育成の課題と将来を展望。本書は『現場主義の人材育成法』(ちくま新書、2005年)、『二代目経営塾』(日経BP社、2006年)に続く関満博氏の後継者育成の現場レポート第三弾です!!

近年、地域産業の「現場」では「人材育成」が最大の課題とされている。日本は高度成長期の頃までは中小企業の創業の活発な国であった。だが、プラザ合意の85年頃を境に事態は一変する。その頃から廃業数が創業を上回る。例えば、東京都の工場数は83年には10万であったが、2003年には5万を割り込んでいる。このような事態に対し「良い企業だけ残ればよい」という議論もある。だが、減少の多くはいわゆる鍛造、鋳造等の3K部門で目立っている。これらは、実は一国の基盤産業というべきものであり、その脆弱化は「モノづくり」全体に重大な影響を及ぼす。また、市場経済では「必要なモノは、また生まれる」と言う。だが、日本ではなく、近隣の中国などで生まれるのではないか。さらに、このような事態に対して「新規創業を促すべき」という議論がある。だが、この10数年の動きを見るとパソコン1台で始められる分野ではあるが、初期投資の大きい基盤技術の部門ではまず見られない。このように見ていくと、事業所の減少を食い止める努力が必要ではないか。実際に市場から退出する中小企業の多くは「後継者難」による場合が少なくない。息子、娘は跡を継がず、またサラリーマンが継ぐことはさらに難しい。成熟社会により、リスクを背負うことができなくなっているのである。何よりも、私たちは地域の事業後継者を育成しなければならない。そのための取り組みは、近年、地域の自治体や金融機関に見られるようになってきた。それは、地域の中小企業をめぐる新たな潮流になりつつある。本書では、全国のいくつかの興味深い取り組みを取り上げ、地域産業における「事業後継者」育成の今後のあり方を検討していくことにする。

内容説明

地域に根ざす企業の後継者育成への果敢な挑戦。老舗4軒のノウハウと全国9地域の斬新な実践を現場の目線で報告、中小企業の最大の課題「人材育成」に向けた真摯な取組みに学ぶ。

目次

地域産業振興の人材育成の意義
第1部 後継者育成の老舗(後継者育成の先駆的取組み―マネジメントスクールとマスターコース(りそな銀行)
地域の人材育成―ニュー・リーダー・セミナー(伊予銀行)
西日本屈指の歴史と規模を誇る―九州生産性大学経営講座(九州生産性本部) ほか)
第2部 地域の取組み(中小企業のまちすみだ発・後継者育成―下町型ビジネススクールの展開(墨田区)
地元工業界における人材育成の新たな試み―青年工業クラブの取組み(柏崎市)
「志」の高まりとネットワークの拡がり―たかおか地域活性化研究会(高岡市) ほか)
第3部 多様な人材育成(多様な人材育成の展開―工業高校生から後継者まで(長井市)
モノづくりの出来る人づくり・寺子屋―新たな産業化の基礎をつくる(宮古市))
人材育成の新たな時代

著者等紹介

関満博[セキミツヒロ]
1948年生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋大学大学院商学研究科教授。経済学博士。受賞:1984年第9回中小企業研究奨励賞特賞。1994年第34回エコノミスト賞。1997年第19回サントリー学芸賞。1998年第14回大平正芳記念賞特別賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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