カッコウはコンピュータに卵を産む〈上〉

カッコウはコンピュータに卵を産む〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784794204301
  • NDC分類 007.6
  • Cコード C0055

内容説明

発端は75セントだった。研究者のコンピュータ・システムの使用料金合計が75セントだけ合致しない。天文学研究のかたわら、新米のシステム管理者となった著者の初仕事が、その原因の究明だった。どうせプログラムのミスさ、と軽い気持ちで調査するうちに、正体不明のコンピュータ・ユーザーが浮かび上がってきた。―ハッカーだ。誰かがコンピュータに侵入している。しかもこのハッカーは、研究所のコンピュータを足場に、国防総省のネットワークをくぐって各地の軍事施設や基地のコンピュータに侵入し、陸軍のデータベースを読みあさって、CIAの情報にまで手をのばしている。この電子スパイの目的は何か。どこからどうやって侵入しているのか。そしてその正体は?世界中に報道された国際ハッカー事件。そのハッカー相手に孤軍奮闘した若き天文学者がみずから書き下ろした、電子スパイ追跡ドキュメント。

目次

75セントの謎
侵入者?
ローレンス・バークレー研究所
「カッコウの卵」
これは電子テロだ!
ハッカーを追跡せよ
75セントではFBIは動かない
侵入先は軍事ネットワーク
パスワード盗みの「トロイの木馬」
令状がなければ逆探知できません〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Susumu Kobayashi

6
ローレンス・バークレー研究所の天文学者クリフは研究所のコンピュータ・システム使用料合計に75セントの差が生じていることに気づいたことから、ハッカーが研究所のコンピュータを不正に使用していることを発見する。彼はさまざまな障害に突き当たりながらも、あの手この手を使ってハッカーの正体を突き止めようとする。著者紹介に「ほんの偶然によるハッカー追跡の方で有名になった」と書かれているので、実話なのだろう。上巻に限ればスリリングで読ませる本に仕上がっている。下巻はどうなることだろうか。2017/11/21

nobu23

4
まだインターネットが普及する前の時代のハッカーの実話。大学のホストに不正アクセスの痕跡を見つけたシステム管理者が、トレースしてる事を悟られないように執念深く追跡していく姿が描かれている。下手なサスペンスよりも面白い。下巻が気になる。2020/09/19

mitya

4
天文学者でありながら、コンピュータにも精通している著者がシステム管理者となり、ハッカーを追跡していく話。コンピュータの技術的なことはあまり分からなくても、ハッカーは何者かという好奇心とユーモアのある語り口で面白く読めます。 日本ではまだパソコンはそんなに普及していなかった時期に、アメリカなどでは既にハッカーが問題となっていたんですね。著者のハッカーを追う熱心さは研究者ならでは。下巻での展開が楽しみです。2016/11/08

nyangle

3
ハッカーモノの草分け的存在? ちょっと前に『ビッグデータ・コネクト』を読んだとき、本書の存在を思い出した。著者は研究所のシステム管理者。物語は、著者が管理するシステムの課金処理に生じた、75セントというわずかな齟齬から始まる。それを糸口に調査を進めていくと、システムに侵入するハッカーの存在が明らかに。どこの誰がどんな経路で侵入し、何をしようとしているのか? そんな謎を追跡していくノンフィクション。FBI、CIA、NSAといった大げさな機関まで出てきて、壮大な追跡劇へ。いざ下巻へ。ドイツではどう調査する?2019/01/20

コートリネ

2
大学のネットワークを管理する研究者がハッカーを追うノンフィクション。舞台は30年前のアメリカだが、まだ平成にもなってない時点でインターネットが全世界に広がっていたことを実感できる作品。1人のハッカーを捕まえるためにFBIやCIA、外国の調査機関までも巻き込んでおり、彼らを説得するために仮説と実証を繰り返してハッカーの正体に繋がる証拠を得ていく様とその辛抱強さはとても研究者らしいと感じた。2018/01/08

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