内容説明
買うも地獄、買わぬも地獄。達意の文章で綴る、洋古書の魅力とコレクション地獄の恐怖。「パリ古書あんない」を増補、古書の匂いさらに色濃く、待望の新版!講談社エッセイ賞受賞。
目次
はじめに 古書蒐集癖、あるいはパリの悪魔
モロッコ革の匂い(稀覯本は見つけやすい;唾捨書店;匂いでわかる ほか)
間奏曲(荒木一郎の教訓;この限りなき悪循環;古書の値段 ほか)
アンコール アール・デコの挿絵本、あるいは絶滅した恐龍
再アンコール パリ古書店あんない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
47
「活字倶楽部1999冬号」でこの本が紹介されていて興味を持って図書館で検索したところ、増補版が所蔵されていたのでそちらを読むことに。古書を買うために大学の経費を使い込み、銀行に家を担保にして入れるどころかサラ金までして買鋳込んだ話は顔が蒼褪めました。そして家族旅行中にも本を買い込み過ぎてホテルにチェックインできなかった話は腰砕けです。しかし、「目的の本をお金がないことから見送ってしまい、次に行ったときには無くて泣いた」というエピソードは身に沁みる・・・。巻末の海外古書店情報はビブリオファンは垂涎必至です!2014/02/02
ごへいもち
25
元版は既読。増補新版が出てすぐ読みたいと思いながらやっと読めました。増補部分は特段のことはないが元版がやっぱり楽しい。とにかく読者は安心して読める。挿絵本の説明を読むと実物を見たくなるなぁ。鹿島氏の莫大な借金返済のためには著書を買わなくちゃとは思うけど、すみません2016/06/18
viola
9
岡崎武志『古本道入門』に載っていて、気になって読んでみました。鹿島茂『衝動買い日記』を、古書のみに絞った本という感じ。これぞ、まさに古本中毒。鹿島サンって、2,3ヵ月に1回は新刊が出ているけれど、それでも借金が回収出来ないよう。本を1冊出して、それが売れても、回収出来るのは本代の10分の1だったりするんだとか。いい古本屋にはニオイがするっていうのは比喩的な表現だと思っていましたが、革装本が放つ匂いなんだそうですね。高級なものだと脂で磨いたりもするから、高級な古書店のほうがより匂いを放っているのだとか。2012/05/19
蓮
4
私にとって本はあくまで読むものだけれど、革表紙の美しい本にもちろん憧れはあるし、所有するという贅沢な楽しみ方もいいなぁと思いました。子どもより古書が大事なんてことはないと思いたい。2014/03/17
コザ☆
4
フランスの古書や、それを取り扱う古書店事情がよく分かる本。借金してまで古書を買い集める姿は、傍から見れば滑稽にも馬鹿馬鹿しくも見えるかもしれないけれど、そこまで夢中になれる事があるってのは、素晴らしい事でもあるし、羨やましい事でもある様に思う。2012/08/26