目次
五首のエチュード(怒れるマリア;再会 ほか)
反恋愛(反恋愛;恋歌五の巻に寄する反歌 ほか)
二台のピアノのための曲集(創世記ふう;春暁 ほか)
十一篇のノヴェレット(それは約束だつた;敷島の ほか)
航海記より(海の名前;海水浴を日々の仕事に ほか)
感想・レビュー
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5
くちなしが次々腐る雨脚の近寄り遠退き皺む夜よる/ささやかになりゆく身ぬち音たててみづ流れゐき紺青の水/かたはれを喪う怖れペングィンはぎうぎうと啼くわたくしも泣く/音符休符音符音符………空間をふたり並びて占むゆらゆらと/蒸す夜の街路の音の花束を捧げむとして歩み寄る 貌/変貌の終はりは夜のしら骨のひと摑み つゆ、まっくらな雨/広場(ピアツツア)に灯をともし持ち待ちゐたれひとつのこゑがあるひは、ひらく/お別れを決して言はねば目の前で夏の楽譜をしづかに閉ざす2018/08/17
あや
3
文語で現代を軽やかに詠む。徳島ご出身の紀野恵さんならではの歌集。四国のまぶしい抒情を感じる。2020/03/13
あや
2
再読。枕元に置いて、繰り返し読みたくなる歌集。2009/05/27