出版社内容情報
〈原始宗教〉のみならず,複雑・ダイナミックな現代世界のあらゆる宗教現象へと迫りつつある宗教人類学。世界各地の豊富なフィールド・データにもとづきながら,その基本的な考え方から最前線までをカヴァーした,わが国初の総合的テキスト。
宗教人類学は、わが国ではまだなじみの薄い学問である。以前には、宗教民族学と呼ばれていたものの延長線上に位置するといったら、うなずいてくれる人は少なくないと思う。もっとも宗教人類学(Anthropology of Religion またはReligius Anthropology)は、従来の宗教民族学とはかなり異なる学問的内容を含んでいる。その差異を簡単に説明するのは容易ではないが、大筋においていえば宗教民族学は主に人類の宗教文化史の再構成をめざし、研究対象をいわゆる<未開>民族・社会に絞る傾向があったのに対して、宗教人類学は宗教文化のトータルな理解に向けて、構造論、機能論から記号論、象徴論あるいは現象学など、現有するさまざまな理論と方法を駆使して、多角的なアプローチを試み、その研究対象は<未開>社会から文明社会まですこぶる広汎にわたるということになろうか。(本文より)
内容説明
呪術、アニミズムから世界宗教、新宗教にいたるまであらゆる宗教現象の〈生きた姿〉をつかみだす。宗教人類学の基礎から最前線までをカヴァーしたわが国初の〈総合的〉テキスト。
目次
第1章 宗教人類学のねらい
第2章 宗教と社会
第3章 宗教と儀礼
第4章 宗教・民族・国家
第5章 宗教の動態
第6章 日本の宗教




