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出版社内容情報
いま子どもたちはどこへ向かっているのか? 遊びの変容、清潔ブーム、おたく族と胎内商品、噂話と死・他界への衝動など、加速する消費資本主義社会のなかで強まる逃走願望と、実際には依存を深める子どもたちの姿を描写する。
はじめに――逃走と依存〈子供たちの現在〉
1 少年たちの資本主義
(1)イノセンスが壊れる時
①父と子
エディプス理論の射程/暴力と対抗暴力
②悪
禁止と破棄
③イノセンス
市松人形の視線/アヴェロンの野生児とイノセンスの解体
④盗み
所有欲と奪取欲の互恵性/万引とかっぱらい/重層化される欲望と互恵性の回路
(2)変容する子供たちの遊び空間
子供の空間把握の変容/「ミクロのユートピア」の成立/統合技能と拡散的生産性/空想マシンとしてのファミコン
(3)胎内商品の現象学
清潔ブームと商品化の現在/「誰のものでもない空間」の占有化/胎内商品と資本主義の現在
2 他界と遊ぶ子供たち
(1)かくれんぼの向こう側
反復強迫と死の衝動/衝動の放棄と成長願望/かくれんぼの構造/神話と「かくれんぼ遊び」/他界への通路――須佐之男と浦島太郎/他界への通路――『今昔物語』と『日本霊異記』/他界へワープする子供たち
(2)他界と遊ぶ子供たち
システム社会の“鎖の輪”/死の結婚/遊戯の現在/他界に旅する子供たち