出版社内容情報
性愛の究極の形態=ボンデージとディシプリンへの意志のもとに、プリミティヴな様態へと収斂する性の表象。進化し自己増殖するその最先端を解剖し、変容するエロティシズムの彼方で世紀末エピキュリアンに提示する性と身体の新たな戦略。
1 拘束の美学
(1)ディシプリンの快楽
(2)女兵士と軍服のエロティシズム
(3)顔面拘束/センサーの剥奪
(4)女たちのボンテージ
(5)性的フェティシズムとモード
2 身体のパーツ学
(1)アンドロイドの乳房
(2)靴のエロス
(3)髪のエロティシズム
(4)オシリの独立宣言
(5)エロス的匂い考
(6)フェティッシュとしての狂気
3 変容する身体
(1)第二の皮膚
(2)両性具有者のエロス
(3)強い女へのオマージュ
(4)ジャパン・ピアシング・シーン/モダン・プリミティブの擡頭
あとがき
初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宵子
0
軍服は格好のいい精神的な拘束具であり、同時に一部の女性に取っては男と対等である手段だったのかもしれない。でも、女戦士単体は大好きなのに、集団は怖いとか都合がいいのでは? 最もその集団が男性にとって都合がいい存在なら、好きなのかな? でも、川島芳子の男装の理由がここに書かれているような理由ならば、光源氏計画したかったの?っていうか、養父タヒれっておもわざるをえない。 また最後に出てくるコンピューター社会には性がないとあるが、操作者に性があれば、あまり関係なのかもしれない。ネット社会の方が男尊女卑な気するし。2013/05/31
ポン酢ペロペロ星人くん
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よくわからない部分もあったけど、髪や匂い、靴に関する項目はなるほどーと思った。靴と足の関係を男女の性器の関係に例えたり置き換えたりするのはフェチズム論においてはメジャーなのかな。2012/01/31
澤水月
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940822
abaoaquagga
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器具等による拘束から、生来備わっている肉体の各部位、そして肉体そのものの改造へと、視点を深化させながらフェティシズムについて手広く論じた本。ダース・ベイダーみたいな全身ラバーや、ピンヒールの爪先を轡代わりにしたシュー・ギャグがなんとも奇天烈。ただ、シュルレアリスムへの言及箇所を読んでから見直すと、確かにそうした芸術と通じるものも感じる。無意識下の快楽を追求して形にした結果、生殖行為から逸脱したものが現れる。それは股間よりもむしろ、脳への刺激となって見る者を釘付ける。2025/07/06
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