内容説明
帝国陸軍の諜報活動を命じられた日本人女性が織りなす人生模様。タイ在住作家による戦争と人間の記録。
目次
第1章 スパイとして送りこまれる
第2章 進駐日本軍の模様
第3章 君枝の活躍
第4章 南十字星の流れに
第5章 逃亡それぞれ
第6章 バンブァトン収容所の生活
第7章 君枝タイ側のスパイに
著者等紹介
羽田令子[ハダレイコ]
作家、ジャーナリスト。静岡県に生まれる。静岡大学教育学部卒業。1964~67年ブラジル国に滞在。1972~78年と1987年以来タイ国に滞在。フリーライターを経て作家活動に入る。現在、国際ペン大会、アジア・アフリカ作家会議などのグローバルな活動と共に、日本やタイ国での障害者への奉仕活動をしている。主な著書に、『タイ・燦爛たる仏教の都』、『アユタヤの十字架のもとに』(第16回日本文芸大賞女流文学賞)、『黄金の四角地帯―山岳民族の村を訪ねて』(第19回日本文芸大賞ルポライター賞)以上いずれも社会評論社刊。日本ペンクラブ会員。日本文芸振興会会員。タイ国サイアム・ソサエティ会員。タイ国記者クラブ会員。王室傘下・タイ国知的障害者福祉財団顧問。1994年、王室傘下・タイ国知的障害者福祉財団より功労賞を受ける
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感想・レビュー
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みーなんきー
12
第二次世界大戦の間にタイのスパイに選任された女性が、家族にも内緒で、スパイ活動をする。ご主人の出張に同行したという体で、相手国の個人の間に入り込み、軍の幹部に報告を繰り返しながらも、日本は負ける、という空気を感じ、複雑な心境、立場ながら現地に溶け込む。そこで見かけた通訳の日本人男性もまた、殺される危機に迫られる度に、タイ人女性との逃避、カモフラージュを繰り返す。淡々と取材し、それを描写したため、深刻な印象は受けないが、実際には殺されるか逃げ延びるかの二択の大変な毎日だったと思う。2024/12/06
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