内容説明
仏日文化交流史における重要人物=松尾邦之助の知的放浪記。1960年刊行の稀覯書を再編集。鈴木義昭氏(ルポライター)、渋谷豊氏(比較文学者)による解説2本収録。
目次
渡仏まで
最初のパリ生活
女学生セシル・ランジェー
不良と無宿ネコ
貧困の記
オーベルランとの奇縁
モンテカルロ、ピストル事件前後
パリの黄金時代
「穴」時代から帰国まで
帰って祖国
結婚騒動
再渡仏
ロマン・ローランからの手紙
アンドレ・ジイドとの奇縁
哲人アン・リネルを知る
下駄ばきの林芙美子
ジャーナリスト時代へ
さよなら「ごろつき時代」
パリと、わたしと、女
平林初之輔とナゾの女
パリの島崎藤村、横光利一、高浜虚子
思い出の人々
戦争、フランスの敗戦、それから
トルコ時代
スペイン時代
自分は一体何者なのか
著者等紹介
松尾邦之助[マツオクニノスケ]
1899年(明治32)静岡県生まれ、1975年(昭和50)没。東京外語仏語科(現在の東京外語大)、およびパリ・ソルボンヌ高等社会学院卒。1932年、読売新聞入社、パリ特派員、論説委員をへて57年定年退職。その後、評論家、パリ日本館顧問、大東文化大学教授などで活躍。1958年仏レジオン・ドヌール勲章受章、64年仏アール・エ・レットル(芸術文化)勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんじがらめの日本を飛び出し、20年間ヨーロッパで暮らし、のちにフランスから勲章を贈られる明治男・松尾邦之助の自叙伝で、パリでの藤田嗣治やロマン・ローラン、アンドレ・ジイドなど文化人との交流や日本の紹介に奔走した前半と、後半は新聞記者として世界大戦の足音が忍び寄るヨーロッパでの緊張感や無謀な大陸侵略を進める日本の愚かさへの怒りが語られるが、どっこい、それにも増して数々の女性遍歴が得意げに綴られていてあきれる。いったい、どっちが大事だったの?と言いたくなるが、これがオレだよと松尾が言っているような本だった。2019/07/07
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