内容説明
仏の道を捨て、武将として生きる道を選んだ今川義元。師父・雪斎と挑む、戦いの物語。静岡県在住の歴史小説家夫妻が描く“父の死に様、子の生き様”。
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1999年『駿府に吹く風(刊行時に「義元謀殺」と改題)』で角川春樹小説賞特別賞を受賞してデビュー。その後は、江戸物と呼ばれる時代小説を精力的に執筆。『口入屋用心棒』シリーズで第一回歴史時代作家クラブシリーズ賞を受賞。現在、歴史小説イノベーション操觚の会の局長を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とん大西
114
明智光秀もそうですが、信長の敵役となるとどうしても先行する負のイメージ。桶狭間で討たれた今川義元は『軟弱で愚か』…大勢を占る印象がこれではないでしょうか。…が、弱肉強食の戦の世にあって武田・北条・松平・織田らといった外敵とのガップリ四つ。花倉の乱の見事な鎮圧や商業政策重視の卓越した領国統治。17歳で太守となり20数年。領民、家臣、他国-長きにわたり君臨を許されたのも義元が魅力的な稀代の名将であったればこそ。時に非情、時に慈悲深く。そして、師父・雪斎との二人三脚。信頼を寄せあう二人の戦国の旅路が味わい深い。2020/02/02
榊原 香織
64
今川義元が家督を継ぐ時の、花蔵の乱が中心。珍しい題材。静岡の人間は知ってるけど、歴史上あまり有名じゃないかも。 作者、桶狭間は義元が京に上がろうとしたわけじゃない、という説を最初に唱えた人らしい。 最近、寿桂尼は義元の実の母じゃない、という説が出てるけど、ここでは実母。乱では敵方に走ったこととかは出てこない2023/10/04
雅
35
失礼な話だけど今川義元と言えば桶狭間で負けた人という印象が強かった。でもこの本を読んで認識が変わった。著者の筆力もあるんだろうけど真摯で人を大切にする武将だったんですね。思ったより楽しめました2019/11/26
桜子
29
今年になり歴史小説を抵抗なく楽しめるようになったのが、私にとっての嬉しい出来事でした(*^^*)その今年最後に選んだのは今川義元。桶狭間で敗れる話が良く描かれているが、どんな人物だったのか、どう生きてきたのか、知りたかったので良い機会でした。義元は雪斎と共に生き、生き方を教わり、そして人望も厚い人物だった。この本でしか義元を知らないけれど、魅力的な人だなぁ♡読んでいると淡々と進むし、戦とか激しさはないんだけど、え!もうこんなに終盤?とびっくりするくらい夢中になりました。息子の氏真に関する本も読みたいなぁ。2019/12/29
金吾
26
桶狭間や対北条・武田を義元側から見るという話かと思い読みましたが、メインは家督相続の話でした。全然知らない部分なのでそれなりに面白いですが、合戦シーンを期待したイメージとの違いを引きずりました。2022/08/10