内容説明
本書は、科学哲学の諸問題を全般的に扱おうというのではなく、科学としてはとくに物理学を対象として、近代の物理学の形成と発展が喚起する様々な哲学的諸問題を紹介し、論じようというものである。
目次
第1章 十七世紀の科学革命と近代科学の形成
第2章 科学の対象とその数量化
第3章 科学における仮説の導入と理論の構成
第4章 科学の目的と科学理論の特質
第5章 物理学における実験と反証
第6章 帰納主義、実証主義、現象論
第7章 規約主義と道具主義
第8章 物理理論と全体論(ホーリズム)
第9章 科学的相対主義―理論負荷性と通訳不可能性
第10章 科学的実在論
第11章 科学的世界と日常の生活世界
終章 科学哲学は何のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimeta
5
物理学の事例が中心であり、疎い私のとっては勉強になった。ただ、クーンとファイヤアーベントと科学的相対主義者として一括りにするかのような記述や、最後の章でやや唐突にフッサールとウィトゲンシュタインの議論を持ち込む、つまり言語ゲームとか現象学的な生活世界などといったこれまでの物理学の事例において展開されていた科学哲学的な問題設定との関連性がさっぱり見えてこない記述に疑問を感じました2010/09/11
ふもっふ
2
著者はほとんど最後の方まで科学的実在論を擁護する立場だったはずなのに、いきなり終章あたりで世界の科学的了解と現象論的了解は両立しうるなどという主張を展開。自分の立場を書物の初めに明示するのは当たり前のことではないのか?安易な主張が多く、不満な点が多いが、それゆえに自分の科学哲学的立場が明瞭になったという意味では感謝している。この書物をたたき台にして今後の勉強の糧としたい。2010/11/03
千景(ちかげ)
1
教科書なんだけど読むのに苦労しました〜。問題解くのも大変だった。最初は辛かったけど、読んだおかげで勉強が楽しくなった気がする。頭使ったら頭の回転も早くなったし。2013/12/19
ひでっち
1
科学哲学系の本は始めて読みました。読みたかった内容とは結果的にやや異なるものでしたが、物理学をベースにしたモノの考え方は勉強になりました。個人的には、第11章の内容を掘り下げて考えてみたいと思っています。2010/11/03
オフィス派の宇宙図
0
科学的認識が日常世界的感覚にとって代わることはないといっているがほんとっかぁな~、科学的認識をベースとするように社会が変われば感覚も変わるんじゃないの?2012/01/09