出版社内容情報
1942?64年にかけて約20年間実施されていた
「ブラセロ・プログラム」。
この制度のもと、長期滞在を前提とした「移民」に対して、
限られた期間内での就労を認められた
メキシコ人労働者「ブラセロ」は
米国内の労働力として受け入れられた。
労働力不足解消のための外国人労働者を受け入れたいが、
かれらが自国の労働者の脅威となるのも回避したい
アメリカ。
かたや、失業問題を調整する安全弁として労働者を
送り出したいが、自国の人材流出とメキシコ人の待遇に
懸念をいだくメキシコ。
労働者の権利保障の先例ともなった内容とともに、
その背景となる二国間の利害にも着目。
「外国人実習生制度」やトランプ政権下の非合法移民問題にも
通じる制度の変遷を概観する。
戸田山 祐[トダヤマ タスク]
著・文・その他
内容説明
アメリカとメキシコ、国境を接した二国間で1942~64年にかけて実施されていた「ブラセロ・プログラム」。ブラセロと呼ばれたメキシコ人労働者の送出と受け入れ、そして非合法移民対策はどのようになされてきたのか。現代アメリカの「移民問題」の起源を精査する。
目次
序章 米国の移民政策史、米墨関係史とメキシコ人ゲストワーカー
第1章 ブラセロ・プログラムの前史
第2章 第二次世界大戦期のブラセロ・プログラムをめぐる米墨間交渉―テキサスへのブラセロ導入禁止を中心に(一九四二‐四五年)
第3章 非合法移民問題とブラセロ・プログラム(一九四六‐四八年)
第4章 エル・パソ事件と戦後期ブラセロ・プログラムの成立―ブラセロ・プログラムの中断と再開をめぐる米墨政府間交渉(一九四八‐四九年)
第5章 ブラセロ・プログラムの安定化と非合法移民対策(一九四九‐五五年)
第6章 ブラセロ・プログラムと非合法移民問題への米墨労働組合の対応(一九四六‐六四年)
第7章 ブラセロ・プログラムの終焉と米国型ゲストワーカー政策の成立(一九五六‐六四年)
終章
著者等紹介
戸田山祐[トダヤマタスク]
1981年東京都生まれ。2016年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術)。現在、千葉大学大学院社会科学研究院助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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