目次
アインシュタインさいころを振る 10月15日
一歩がすべて 11月15日
不機嫌な猫は尾を振る 12月15日
そのまま閉ぢてまた眠る 1月15日
背広組こそ危険かも 2月15日
ちよつと早めの遺言として 3月15日
迷宮と迷路の違ひ 4月16日
相当に過激なことを言つてゐるつもりだが 5月16日
ぶつきら棒の棒のやさしさ 6月16日
蝉声忌、秋桜忌さていづれかに 7月16日
私が母を知らないやうに 8月16日
この国はこの国はとぞ声に出て 9月15日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん
12
図書館本。著者の第14歌集。毎日、日記のように歌を作り、それを連載したものが歌集になっている。その日の出来事が簡単に記録されているが、大学教授で歌人という仕事のためか、日本各地、海外への移動、会う人の数に驚嘆。さらに選歌の作業をし、一人あるいはいろいろな人と酒を飲む(しかもかなりの量である)。孫たちとの時間、孫のお迎えなど、ものすごい活動量である。日本で当時あった出来事も含め、日々の様子が生き生きと伝わってくる。2021/12/09
あや
3
日記形式の歌集。やっぱりご家族を詠んだ歌がすごくいい。2019/11/15
浦和みかん
1
作者の近年の歌集の中でも特に肩の力が抜けている感じがする。ぱっと見では直情的に見えて、一首抜き出して立たせたときにも特別に面白いわけではないけど、詞書の使い方や歌のちょっとした捻りなど、全体として詩たらしめる工夫のある歌集だと感じた。作者の時間観についてはあとがきに詳しい。<ああやはり阪神は負け負けてこそのわれらが阪神 わからぬだらう><コラム原稿一つ仕上げて夕暮れのアテネの街の人ごみを行く><経年劣化による雑音と言ふならば戦後政治の劣化は如何に>2019/01/30