内容説明
隠密探索中に、敵方に素顔を晒してしまうという失態を犯した公儀精鋭の御庭番・津坂半九郎。支配若年寄に、お役御免を申し出るが、影の力となって支えよとの命を受け野に下った。捨て扶持をもらい、再びお上より声がかかるのを待ちながら、尾州浪人と偽って浅草の裏店に居を構えた半九郎。庶民にとけこみ、ようやく町に馴染みはじめた半九郎だが、様々な厄介ごとが絡みついてくる。ある日、訪ねてきた幼馴染みとの再会を喜んでいる最中、浅草仲見世で偶然見かけたのは、西国の雄藩の抜け荷の証しを握ったまま逐電した幕府の密偵だった。そしてその男を匿っているのが、半九郎の仇敵だと判明するのだが…。気鋭が書下ろす痛快長編時代小説!
著者等紹介
笠岡治次[カサオカハルジ]
1969年愛知県生まれ。大学卒業後、歴史関係の編集者を続けながら、時代漫画の原作、映画作品のシナリオ、演劇脚本などに携わる。架空戦記小説でデビューを飾り、2005年、長編時代小説『百姓侍人情剣』(廣済堂文庫)を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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