内容説明
文学を豊かに読む喜びを、徹底して作品の細部にこだわる中で模索した試みの文学評論書。
目次
森鴎外『舞姫』
森鴎外『雁』
有島武郎『生れ出づる悩み』
芥川龍之介『地獄変』
島崎藤村『新生』論―執筆の過程で見えてきたもの
太宰治『津軽』論―母への思いに注目して
三島由紀夫『金閣寺』試論―“父”の教育理念
倉橋由美子『パルタイ』―冷めた眼の見た世界
遠藤周作『深い河(ディープ・リバー)』論―“愛のまねごと”が向かうもの
研究動向 井上光晴〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴー
2
本来告白は語りによって実現されていくが、語られたものだけを辿っていくならば、告白の本質をを落としかねない危険性を孕んでいる。(p56要約)2017/10/31
なおぱんだ
1
ただ小説を読むことが好きなだけの人間にとって、文学に関する評論集と聞くと、手に取ってページを開くまでの勇気と読み通すためにそれなりのパワーが必要なのではないかとちょっと構えてしまいがちですが、この作品は文章が一般の読者向けでとても読みやすいものでありながら、近代文学の要となっている一つ一つの作品に向き合う著者の真剣さが伝ってきて、ぐいぐいと引き込まれていきました。2024/05/17




