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被虐待児の精神分析的心理療法―タビストック・クリニックのアプローチ

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  • サイズ A5判/ページ数 212p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784772409421
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C3011

出版社内容情報

虐待経験をもつ約80名の子どものケースを素材にした,タビストック・クリニックにおける児童心理療法のワークショップをもとに構成。

内容説明

本書は、タビストック・クリニックを中心とした臨床家たちが、虐待を受けた80人にものぼる子どもたちの臨床例をもとに行ったワークショップの成果を結集したものである。「投影同一化」「妄想・分裂ポジション」「包容/包容すること」など、クライン派精神分析の基本概念が臨床例の中で巧みに展開されており、読者はそこから被虐待児の内的世界の深奥へと迫るアプローチの理論と技法の詳細を読みとることができる。また、優れた臨床家たちによる被虐待児への精神分析的心理療法の臨床例からポスト・クライン派精神分析の概念・技法を理解することができるという点でもきわめて有用である。クラインの理論や技法を越えて育まれてきた著者らの実践は、児童精神分析の研究史の流れにおいても、ひときわ興味深い。クライン派精神分析の流れをたどる際には、巻末に付した用語解説が理解の一助となろう。本書は、被虐待児のみならず子どもの心理療法に携わるすべての人々にとって、精神分析的心理療法の適応の拡大と深化を探求した良書である。

目次

タビストック・ワークショップ:概要
落ちること、落とされること
くっつくこと―公的保護の下にある女の子が呈しやすい問題
見捨てられること
性と攻撃性の関連性
心理療法における技法上の問題
心理学的アセスメント
「僕はダメだ、役立たずだ、考えられない」
考えることと学ぶことの難しさ
施設から家庭への移行
里親のもとで育つ―ある少年の苦闘
家族の輪の崩壊と再構成
公的保護の下にある子どもたちについて共に考える
フィールド・ワーク―里親家庭への初めての訪問
被虐待児とのかかわりにおいて喚起される感情

著者等紹介

ボストン,メアリー[ボストン,メアリー][Boston,Mary]
タビストック・クリニックの児童心理療法士であり、上級講師である。以前は、グレート・オーモンド・ストリート子ども病院に勤務していた。そこでとくに、就学前の子どもの治療に関心を深め、子どもの発達に関する最近の調査研究についての論文を書いている

平井正三[ヒライショウゾウ]
1992年、京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1997年、Tavistock Clinic児童・青年精神分析的心理療法コース修了。2004年より、御池心理療法センター。代表を務めるNPO法人子どもの心理療法支援会は、児童養護施設の子どもや発達障害の子どもへの精神分析的心理療法の実践の支援活動、専門家への研修活動を行っている

鵜飼奈津子[ウカイナツコ]
2004年、Tavistock Centre/University of East London児童・青年精神分析的心理療法コース修了。現在、ロンドン医療センターおよびRefugee Therapy CentreにてChild & Adolescent Psychotherapistとして勤務する

西村富士子[ニシムラフジコ]
1997年、奈良女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。八幡市教育研究所・大阪市中央児童相談所にて子どもの心理療法と親面接を担当する。現在、追手門大学学生相談室カウンセラー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サト

0
以前読んだ「官能植物」に記載があって気になったので借りた。他の本にもあるとおり赤子期の抱っこの記憶が大事なんだな。もちろん一概には言えないと思うが、親との物理的な距離が以後の情緒の構築に必要らしい。様々な吐き出し方をする被虐待児とそれを受け止める治療者たちの痛ましさがなんともやるせない。2022/02/11

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