内容説明
仏教の故郷インド、中国、そして、豊富な聖典をかかえるチベット、ネパール―。仏教者個人のアジア体験に光を当てて、近代仏教が孕んでいた問題と可能性を探る。
目次
島地黙雷―インド体験と布教活動
松本白華―欧州・中国を見た人の沈黙
小栗栖香頂―中国体験と日本仏教の再発見
北方心泉―中国体験と書の受容について
南条文雄―そのインド体験の宗教的・思想的意義
釈宗演―その“インド”体験
井上円了―教育に生き教育に死す
河口慧海―求法の道の終着点
三島海雲―仏教・技術・社会貢献
堀至徳―二〇世紀初頭のインド熱
高楠順次郎―その思想形成におけるインド・ネパール体験
藤井日達―「西天“インド”開教」の体験
著者等紹介
小川原正道[オガワラマサミチ]
慶應義塾大学法学部准教授。専門は、近代日本政治史・政治思想史。1976年生まれ。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。イリノイ大学客員研究員、武蔵野学院大学准教授等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
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冒頭の一文⇒「近代日本の仏教者たちは、仏教の故郷である中国やインドをはじめ、ネパール、チベット、セイロンなどをどのように「体験」し、それは、それぞれの仏教たち[ママ]の思想形成や所属教団、また我が国の思想史や宗教史、政治史にいかなる影響を与えたのか」… まさにそのような本でした 12の章は各々ひとりの「仏教者」の評伝になっています どれも興味ぶかかった、大変化と苦難にあえいだ日本近代仏教を「アジア」という切り口からながめる…現代にふさわしい歴史語りだと思いました2014/11/03
あまたあるほし
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三嶋海雲やら井上円了やらなかなか名前を知られていない仏教者を紹介した論説集。ちなみに三嶋はカルピスを作った人。なんで仏教とカルピスがつながるかは読んでのお楽しみ。2010/04/16