表象メディア論講義 正義篇

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  • サイズ B6判/ページ数 330p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766415452
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0036

出版社内容情報

メディア・コントロールから逃れ、世界の事実を見極めるために必要な知識・情報、判断力を養うための実践的教科書。マスメディアの報道する歪んだ〈世界像〉を批判し、オルタナティブな世界像を考える契機を提供する。『バブル文化論』(2006年弊社刊)の著者が、明治学院大学、早稲田大学で行った講義をもとに編集。全編、語りおろしのため、内容が理解しやすい。

内容説明

私たちの日常はますます「画面」の環境に支配されているが、グローバル化の現在、逆説的にも「世界」はますます見え難くなっている。報道・配信は、OECDに縁のある地域(または報道機関が保障のリスクを負わなくてすむような安全地帯)に限られ、それが「世界」として呈示されている。アフリカや太平洋の島で生じた出来事は報道されることなく、出来事としての資格も奪われて、歴史から忘却されていく。特区(フリーゾーン)の工場で働く「奴隷」たちの映像は流れないが、その「奴隷」たちが生産した衣服や小物はPRされ続けている。「カメラのない場所」には出来事が生じていないという錯誤があるのである。いま世界で何が起きているのか?その事実や精確な情報を得る術を学び、グローバル化する世界とマスメディアの報道する“創られた世界像”を捨象し、オルタナティブな世界像を考える契機を提供する。

目次

Introduction ご冗談でしょう、きょうの世界?―1000兆円の債務残高で遺書を残して死んだ政治の物語
第1回講義 長い歴史の後の“正義”を問うための導入
第2回講義 わたしたちの世界の実相―ネオリベラリズムと監視―管理社会
第3回講義 世界はどこにあるのか?―怒りとパロディ
第4回講義 「世界」と米国―米国というもうひとつの世界
第5回講義 『ゆきゆきて、神軍』にみる証言の構造
第6回講義 証言・記憶・トラウマ
第7回講義 正義・法・暴力
第8回講義 想像力、呼びかけ、赦し
補講 宇宙、生の技芸、縁起

著者等紹介

原宏之[ハラヒロユキ]
1969年生。明治学院大学准教授(国際平和研究所、教養教育センター、兼担)。パリ第10大学人文学科群博士課程中途退学。学術博士(東京大学)。専攻は人文学(日仏の表象メディア論・思想史)。「教養」をキーワードに教育、市民、研究などの活動に従事中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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