内容説明
平安でとても文学的だった時代の猫は、やがてペットとして愛玩されるようになって、いつのまにか化けたり、喋ったり…。「枕草子」「源氏物語」そして、江戸、明治―。猫はどのように描かれ、どのような存在だったのか?奇談・異聞集なども交えて、人間と猫の長い歴史を辿る。
目次
第1章 家猫の生いたち(家猫の発祥;猫の来日;猫・狸・ネコ;寵愛される猫;恋をとりもつ猫;猫好き、猫嫌い)
第2章 不思議猫の足跡(怪しい猫;猫またの出現;猫の御伽草子;跳梁する猫また;猫またと金華猫;中国の怪猫)
第3章 実録・江戸の不思議猫(化ける猫;踊りを踊る猫;もの言う猫;猫の恩返し;死者と猫;狐とつきあう猫)
第4章 不思議猫の新世紀(三つの怪猫劇;不思議猫の行方)
著者等紹介
北嶋廣敏[キタジマヒロトシ]
1948年福岡県生まれ。早稲田大学文学部卒。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らぴす
1
夜に目を光らせ、死ぬときは姿を消す猫。その不思議さが生み出した化け猫の数々。昔の人の想像力に脱帽でした。2013/11/23
くらげ
1
化け猫の文学史、と言った方が近い。もっと文献だけでなく、猫の模様の分布から考える…とか、猫を題材にした絵画や置物から…とか、いろんな方面からのものを期待していたので残念。2011/12/12
なかがわみやこ
1
文献に現れる猫を総ざらえしたような本。某天皇はどう読んでもツンデレ。2011/02/26
マロソ
0
ペットとして犬と並びパッと思いつくのが猫。しかしその起源や日本への渡来、歴史について書かれている本は意外と少ない。本著では猫が人によって飼い慣らされた経緯から、日本における人との関わりについて文献史料をもとに紐解いている。古くは縄文時代から狩猟のために利用されていたと考えられている犬に比べ、初めて日本で見られる例は奈良時代といったように、意外と渡来は遅いんだなと。中国からの税制導入の影響もあったらしい。後半は文献史料を基にしているものの、随筆や戯曲が大半なので無理矢理絞りだしている感も否めない。2013/03/21
emiko
0
猫可愛がりされたり、化け物扱いされたり、いろいろあった猫の歴史。手ぬぐい被って踊ったり、人語を喋ったり、猫又はけっこう可愛いと思うんだけど…。猫絵十兵衛で使われたネタもあり。2011/11/26